熱戦が繰り広げられている「2014FIFAワールドカップ ブラジル大会」。残念ながら日本代表は1分2敗の戦績で、グループリーグを突破することはできなかった。

 本田、長友、香川、岡崎、内田など、海外リーグで活躍している選手をズラリとそろえ、今大会の日本代表は、これまで以上に前評判の高かったチームだった。だが、グループリーグでは1勝も挙げることなく敗退してしまった。いったい何が起こったのだろうか。

 ITproでは、今大会に合わせて一つの企画をスタートさせた。『ワールドカップ日本戦をITで斬る』である。

 この企画は、試合で発生する2000前後のプレーをデータ化し、過去のデータと重ね合わせた分析を手がけるデータスタジアムに分析を依頼して試合を振り返りながらデータを解析するというもの。こうすることで、テレビ視聴とはまたひと味違った“ゲームの真実”が見えてくる。

同じ負け試合でも全然違う

 例えば、1対2で負けた初戦のコートジボワール戦では、ボール支配率が41.6%と低く、それに比例するようにパス数もパスの成功率も低かった。2013年6月に開催されたコンフェデレーションズカップのイタリア戦と比べても、同じ1点差の負け試合とはいえ(イタリア戦は3対4で負け)その差は歴然だ。

 パス回しで相手を崩して相手ゴールに迫り、シュートを決めるという攻撃的な組織サッカーが、いかに機能しなかったかが分かる(コートジボワール戦の分析記事を参照)。

 一方、第2戦のギリシャ戦では、相手チームが退場者を1人出したこともあり、日本のボール支配率は68.1%と圧倒した。シュートの数もコートジボワール戦の9本から17本に増えた。終始、日本が攻め続けていたと言って良い。しかし結果は0対0のスコアレスドローだった。

 10人になってしまったギリシャが引き気味に試合を進め、その堅守を打ち破れなかった結果である。だが、相手の守りが堅かっただけではない。日本には、この状況を打開する戦術が決定的に欠けていたと言わざるを得ない。時間帯別に見る日本のパスの軌跡がそれを如実に物語る(ギリシャ戦の分析記事を参照)。

(6月25日のコロンビア戦の分析結果は、7月4日に公開

 誰しも負け試合を振り返ることは、あまり気分の良いものではない。だが、負けた結果をきちんと分析し、その対策を練らない限り進歩はない。日本代表を応援するサポーターとしても、今回の負け戦をきちんと分析しておきたいものだ。


■変更履歴
コロンビア戦の記事リンクを追加しました。[2014/07/04 12:50]