今回は、独アディダス社、米ナイキ社、ミズノの3社を中心に、米国市場での知財力を検証いていきます。図表の見方や用語については、ここでは簡単に用語をまとめておくだけでにして、詳細は「国内編」の解説を参照して下さい。

用語解説
  • 知財スコア:特許の強みと弱みを数値化したもの。後発特許にどれくらい参照されたかなどを勘案している
  • 知財総合力:知財スコアを基に、特許の有効余命年数(特許権利の有効期間)を掛け合せたり、出願した特許全件におけるスコアの偏差値を考慮して算出
  • 技術力スコア:技術を有効活用年数や、他社への影響度などを考慮して算出
  • 技術パフォーマンス力:高スコアとなった技術件数を、その企業が保有する技術全体の数で割り戻したもの。技術パフォーマンス力が高いとは、粒ぞろいの技術を保有していることになる
図1●米国市場におけるスポーツ用品メーカーの知財力
図1●米国市場におけるスポーツ用品メーカーの知財力
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 世界中から米国特許商標庁に出願されたサッカーシューズ関連技術群は2336件ありました。図1を見れば分かるように、出願件数・総合力共にナイキが圧倒しています。件数は187件と2位のアディダス(63件)のほぼ3倍です(下表参照)。

 一方、ミズノは米国での特許件数が非常に少なく、日本では優勢な面もありましたが、米国市場では主要プレーヤーとは言えない立ち位置にいることがわかりました。

表●米国市場におけるスポーツ用品メーカーの知財力詳細
表●米国市場におけるスポーツ用品メーカーの知財力詳細
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