ここからは、独アディダス社、米ナイキ社、ミズノの3社を中心に、各企業の知財力を地域ごと(国内、米国、欧州)に検証いていきます。まず今回は、日本市場を見ていきましょう。

図1●日本市場におけるスポーツ用品メーカーの知財力
図1●日本市場におけるスポーツ用品メーカーの知財力
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 日本の特許庁に世界中から出願されたサッカーシューズ関連特許は1441件ありました。アスタミューゼでは、これらの特許を1件ごとすべてに対して、強みと弱みを数値化して知財力スコアを算出します。この知財スコアの算出では、出願した特許1件に対して、そのあとで「先行技術としてどれだけ引用されたか」を参考にします。

 学術論文では引用されること自体が、その論文を評価する一つの指標となっており、初期の米Google社の検索アルゴリズムとして採用されていたページランクに似た概念です。図1では、横軸がこの知財力スコアになります。

 このスコアを基に、特許の有効余命年数(特許権利の有効期間)などを掛け合せたり、出願した特許全件におけるスコアの偏差値を考慮して、知財総合力を算出します。これが図1の縦軸になります。またこの図の円の大きさが、特許保有件数に相当します。