「Solid2014」の基調講演で、来場者に対して強いメッセージを送ったのが、同イベントの主催者である米オライリー・メディア創業者のティム・オライリー氏だ(写真1)。

写真1●米オライリー・メディアのティム・オライリー氏
写真1●米オライリー・メディアのティム・オライリー氏
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 基調講演を通じて、同氏の主張は一貫している。「ものごとがどんな仕組みで働いているのか、もう一度考え直そう」というものである。そこに、最新の技術を取り入れることによって、改革や改善が生まれるチャンスがあるというのだ。さらに、「単に新しいものを作るだけにとどまらず、現実社会が直面する大きな問題を技術によって解決し、より良い社会を作ろう」と強く訴えた。

人間の活動そのものが入力インタフェース

 基調講演でオライリー氏は、Internet of Things(IoT)周辺で注目を集めている言葉を引用しながら、一般には注目度が低く、見落としているかもしれないキーワードとして「スマート」「人々」「時間」を挙げた。アプリケーション・ソフトウエアやサービスを設計する上で、「人間の活動で生み出されるデータをクラウドに蓄積し、それを加工、そしてロボットやデバイスが利用するというプロセスにもっと注目すべきである」という。

 同氏が、こうした人とシステムの相互連携の例として挙げたのは、米グーグルが試みている自動運転、同社が買収したスマートサーモスタット「Nest」、世界中で提供されているタクシーの配車サービス「Uber」などである(関連記事)。