先週公表された、IAB(Interactive Advertising Bureau=インターネット広告協会:米国の約300社が加盟し、オンライン広告、およびインタラクティブ広告を網羅する業界団体)と、米PwC(PricewaterhouseCoopers)が共同で実施した米国インターネット広告市場に関する調査結果に関する記事を見た人も多いだろう(関連記事)。

 今回の調査結果で特に注目すべき点は、2013年のインターネット広告の年間売上高が過去最高を更新すると同時に、初めてテレビ放送広告の売上高を上回ったことにある。これまでテレビ、新聞、ラジオ、雑誌と共に「4マス」と呼ばれていたマス広告媒体の中でも最大規模だったテレビ放送の広告売上高を、インターネット広告のそれが上回った。

 この結果、インターネット広告が、企業のマーケティング・コミュニケーション活動における重要なポジションの一部を担うという、そのポジショニングが確立されたように思える。今までも重要なポジションにあったことに変わりはないが、今回の発表でそれが揺ぎのないものになったかもしれない。

 さて今回、この過去最高の広告売上高をけん引したのが検索広告であり、またモバイル広告である。金額はそれほど高くはないが、著しい伸びを見せているのが動画広告となる(関連記事)。実際、検索広告のうち特にモバイルの分野については、今後も引き続き大きな成長が予測されている分野になっている。

 米eMarketer社が2014年3月に実施した調査によると、デスクトップ(というよりもパソコン)検索広告の成長率は、2012年をピークに徐々にマイナス傾向となっている。2013年のデスクトップ検索広告の成長率が対前年比でマイナス0.8%と初めてマイナスに落ちこんだのを皮切りに、その成長率は対前年比でマイナスを記録すると予測されている。さらに2016年以降には、そのマイナス傾向にさらに拍車が掛かると言われているのだ。