インターネット広告の業界団体Interactive Advertising Bureau(IAB)は現地時間2014年4月10日、米PwC(PricewaterhouseCoopers)と共同で行った、米国インターネット広告市場に関する調査結果を公表した。それによると2013年の年間売上高は、前年比17%増の428億ドルとなり過去最高を更新、初めてテレビ放送広告を上回った。

 10年前に73億ドルという規模だった米国のインターネット広告売上高は、その後順調に伸び続け、2007年は212億ドル、2011年は317億ドル、2012年は366億ドルと推移してきた。

 またこれら年間売上高は、2007年にラジオを、2010年は新聞を、2011年はケーブルテレビを抜いたが、これまで最大のメディアであるテレビ放送を上回ることはなかった。2013年の米国テレビ放送広告の売上高は401億ドルだった。

 IAB会長兼CEOのRandall Rothenberg氏は、「インタラクティブ広告がテレビ放送広告を抜いたというニュースは驚きではない。このことはデジタルスクリーンがオーディエンスを引き付ける力があることを示している。同様にモバイル広告の急成長は、小さなスクリーンが人々の日々の生活で重要な役割を果たしていることを示している」と述べている。

 2013年の広告種別売上高は、検索広告が184億ドルで最も多く、全体の43%を占めた。ディスプレー関連広告(バナー、デジタルビデオ、リッチメディア、スポンサーシップ)は128億ドルで、全体に占める割合は30%。モバイル広告は71億ドルで同17%、クラシファイド広告(求人や不動産などの案内)は26億ドルで同6%だった。

 このうち最も伸び率が高いのはモバイル広告。前年と比べた売上高の伸び率は110%。モバイル広告は3年連続で3桁成長が続いている。またディスプレー関連広告のデジタルビデオも同19%と比較的高い伸び率。クラシファイド広告を上回る28億ドルとなった。

 このほかインターネット広告への支出が最も多かった業種は小売りで、全体の21%を占めた。この後、金融サービスの13%、自動車の12%、通信サービスの9%、レジャー旅行の8%と続いている。

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