「みずほ銀行の次期勘定系システム、1年間延期の方針が明らかに」を読んで、どう判断すべきなのかを考えていました。
システム開発プロジェクトを評価するときの目安にQCD、つまりQuality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)を順守できたかどうかが、あります。9カ月から1年という稼働の延期によって、Dが守れなくなりました。
延期によって、QとCにどれだけの影響が及ぶかが次の問題です。あくまでも一般論ですが、稼働時期を延期したプロジェクトの中には、動かすことだけが目的になってしまい、QもCも当初の想定を大きく下回るものが少なくありません。
みずほ銀行には2002年のシステム統合強行による大規模障害の歴史があります。今回のシステム統合プロジェクトはかなり挑戦的なものですから、当初予定の稼働日に固執するリスクは無視できないでしょう。
現時点での延期は合理的な判断だが、計画当初に2016年3月という稼働時期を設定したことが合理的でなかった、と考えるのが自然なのでしょうか。
当初の稼働予定は、2011年の大規模なシステム障害に対して、再発防止を求めた金融庁の業務改善命令に対する回答とも言える、業務改善計画で表明したものでした。この点も考慮する必要があります。
最終的な判断を下すには、もうしばらく時間が必要な気がしています。