データセンター(DC)内の仮想マシンを、オンデマンドで提供するIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)構築ソフトウエア。国内企業としていち早く「Wakame-vdc」を開発し、OSS(オープンソースソフトウエア)とした「あくしゅ」の山崎泰宏氏は、目指しているのは「DCの丸ごと仮想化」だと語る。
「Wakame-vdc」を開発した経緯を教えてほしい。
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2009年4月にリリースした「Wakame」が始まりです。Wakameは、米アマゾン・ウェブ・サービスの「Amazon EC2」上のサーバー数を調整するオートスケール機能を備えたソフト。必要なサーバー台数を入力すれば、自動で増減させることができます。
3カ月間びっしりとデモの予定が詰まるくらい問い合わせがあり、その中にデータセンター(DC)事業者も何社かありました。
ただ、Wakameのオートスケール機能を利用するには前提があります。DC事業者が仮想マシン(VM)の作成や設定をソフトウエアで自動化し、Web API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)経由で指示を受けられる環境にしておく必要があるのです。アマゾンは2006年ごろにこの環境を実装していたのですが、当時、ほとんどのDCは同様の環境になっていませんでした。
オートスケール機能を実装したい、という相談が5~6社のDC事業者から入るようになり、「ならば我々がDC内のVM作成を自動化する仕組みも作りましょうか」という話になりました。それが2009年10月。2010年4月には、「Wakame-vdc」としてリリースしました。