将来ネットワーク技術をまとめた書

 3つめに取り上げるのは「将来ネットワーク技術」。将来の予測ではなく、将来に向けて開発が進んでいるネットワーク技術を解説した書である。

 副題に「次世代から新世代へ」とあるが、全9章のうち、第1~7章が「次世代」、つまりNGNの解説となっている。現在のネットワークを支える中心的な技術ではあるが、“将来”を期待する向きにはちょっと肩透かしだろう。

 最後の2章が、将来に向けたネットワーク技術開発を解説した部分だ。国内の「新世代ネットワーク」や海外の「Future Internet」などでの取り組み、ITU-Tでの標準化活動、様々な新ネットワーク技術が紹介されている。既存のIPやインターネットにとらわれない新ネットワーク技術がまとまっている書籍はほとんどないので、その点では重宝するだろう。

将来ネットワーク技術


将来ネットワーク技術
浅見 徹 監修
電子情報通信学会 編
オーム社発行
3885円(税込)


■関連する記事を読む
  • 未来を予測する7冊(Part.1)、2100年の科学ライフ、2052 (日経コミュニケーション,2014年1月30日)

 4つめは「2020年の産業」を紹介しよう。これは野村総合研究所が2020年における様々な業種の見通しをまとめたもの。取り上げているのは、自動車、電機、エネルギー、ICT、運輸、金融、ヘルスケアの7つ。本誌の読者にとって最も関連のあるICTについては、予測というよりは現状をまとめただけに読めた。ただ、最新状況をそつなくまとめているので、業界全体を見通すのに役立ちそうだ。

2052 今後40年のグローバル予測


2020年の産業
野村総合研究所 著
東洋経済新報社発行
2100円(税込)


■関連する記事を読む
  • 2020年の産業 (日経コンピュータ,2013年10月9日)
  • 未来を予測する7冊(Part.1)、2100年の科学ライフ、2052 (日経コミュニケーション,2014年1月30日)