米オラクルが四半期決算を発表しました(関連記事:Oracleの9~11月期決算は2%増収でアナリスト予測を上回る、クラウド事業が好調)。直近の四半期業績は、売上高で前年同期比2%増の92億7500万ドル、営業利益は同2%減の34億1000万ドルです。「SaaS関連の契約が35%増加した」(上記記事)というくだりが目にとまりました。

 決算についての電話会議を聞くと、経営陣が何度もクラウド関連事業の好調ぶりを繰り返しています。クラウド専業企業である、セールスフォース・ドットコムやワークデイとの競合についても何度となく言及していました。ソフトやハードの売り上げが絶好調とは言えないからかもしれませんが、それにしても目立ちます。

 創業者でありCEO(最高経営責任者)であるラリー・エリソン氏が、態度を一変させてクラウドに注力する姿勢を明確に示したのは2010年のことです(関連記事:「オラクルの定義はアマゾンに近い」---エリソンCEOがクラウド観を披露「全スタックを提供し大きな価値をもたらす」オラクルのエリソンCEO)。エリソン氏の心変わりが、クラウド時代の到来を強く感じさせたのを思い出しました。クラウド時代の足音はさらに強くなっているようです。

 クラウドに対するスタンスだけでなく、オラクルの動向はITの将来を考えるうえでヒントを与えてくれます。典型的なのが買収です。同社はさまざまなIT会社を買収していますが、多くの場合、買収した企業の扱う製品やサービスがIT市場で次にホットになるからです。2013年に買収した企業は、営業やマーケティングを支援するクラウドサービス、あるいは通信関連で優れた技術を持つ企業という点で共通します。

 電話会議で気になった点があります。日本でのビジネスが不調だということです。今日発表になった日本オラクルの中間決算は売上高で2.2%、営業利益で6.9%の減収減益でした。日本の不振が何を意味しているのか、考えてみます。