「なぜ大手ICT企業で不採算案件が相次ぐのか、「対岸の火事」では済まされぬ根本的な原因」という記事が読まれています。偶然ですが、昨日の日記(システム開発がもめる理由)と似たテーマです。今日もこのテーマで少し書いてみたいと思います。

 といっても、理由は昨日と同じです。不採算案件というのは、受注した金額内で作れないものを作れると請け負ったから不採算になるのです。あらかじめどういったプロジェクトなのか、きちんと考えていないのが最大の原因でしょう。

 事業を継続させるかどうかを別にすれば、できないものは受注しないのが、不採算案件を根絶する最善の方法です。自分たちができることをはっきりさせたうえで、受注活動に臨めるかどうか、分かっていても難しい問題ではあるのでしょうが、答えはここにしかないはずです。

 ツイッターなどでの反応を見ていると、不採算案件が不採算であることよりも、プロジェクトに参加した人間が苦しむことへの周囲の不理解、あるいは怒りがあるように感じます。当然でしょう。「デスマーチ(死の行進曲)」という隠語がありますが、不採算案件は往々にして、参加している人間にとって大きな労苦を伴うものだからです。

 ただこの問題への解決策は、不採算案件への対処法ではなく、自らのキャリアをどう設計するかにあるのではないかと感じています。一人の人間で泥沼化したプロジェクトを解決させる術があるとは思えませんが、同じようなプロジェクトにかかわる可能性を下げることはできると思うからです。この辺りについてはいずれ詳しく書くつもりです。