今日公開の『なぜ、システム開発は必ずモメるのか?』という本に対する書評に目がとまりました。書評というよりタイトルが気になったのです。

 必ずだとは思いませんが、システム開発プロジェクトがもめることはあります。以前、日経コンピュータ編集部に在籍していた際、システム開発関連のトラブルについて取材しましたが、思った以上にうまくいってないケースが多いのに最初は驚きました。

 当たり前だと思われるかもしれませんが、何度か取材した結果、思うようになったのは、もめるプロジェクトというのは、作れないものを作ろうとしていたからだ、というものです。作れない、という条件には技術的なものだけでなく、コストなども含みます。

 何が作りたいのかはっきりしないままに動き出すプロジェクトは今も少なくないでしょう。気になっているのはビッグデータ関連です。

 少し前になりますが、社内で記録しているビッグデータを使って何ができるのかわからない企業へのコンサルティングサービスを手掛けているというIT会社の話を聞きました。データをどう使いたいのか明確な目的を持てない企業が、たとえコンサルティングを受けたとしても、ビッグデータを分析するシステムを作れるのか、作れたとして実際に使いこなせるのか、疑問が消えません。

 冒頭に掲げた『なぜ、システム開発は必ずモメるのか?』についてですが、会話形式を取り込んだ構成で、興味がある人なら読みやすそうだと感じました。