本連載でも何度か取り上げているスマートフォンのゲームアプリ動向だが、「パズル&ドラゴンズ」や「LINE」関連ゲームの人気が注目されて以降、スマートフォン向けゲームを手掛ける事業者が急増。最近では新興のゲームアプリが次々とランキング上位に登場して急速に人気や売上を伸ばすなど、競争が急速に激しくなってきている。

 では実際のところ、どのくらい競争が激しくなってきているのだろうか。過去から現在までのApp Storeの売上ランキングの動向を比較しながら、確認していこう。

好調な業績を上げるスマートフォンゲームベンダー

 依然として注目度が高いスマートフォンのゲームアプリ。そうした中でも、人気のゲームを提供する企業の決算が最近相次いで発表されており、いずれも非常に好調な業績を上げているようだ。

 例えば「パズル&ドラゴンズ」を提供するガンホー・オンライン・エンターテイメントの2013年4~6月期(2013年12月期第2四半期)の売上は、前年同期比で945倍の746億円に達するとのこと。パズル&ドラゴンズを中心としたスマートフォンアプリの売上により、著しい業績の伸びを見せているようだ。ちなみに同タイトルは、8月12日に累計1700万ダウンロードを達成し、現在も好調を維持している。

図1●LINE事業の業績推移(プレスリリースより)
図1●LINE事業の業績推移(プレスリリースより)
ゲームを中心として売上を急速に伸ばしているのが分かる。
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 また、7月21日に全世界での会員数が2億を突破し(関連記事)、スマートフォンのゲーム市場にも大きな影響を与えるようになったLINEは、非上場企業ではあるものの、8月8日に2013年4~6月期の業績を開示している(関連記事)。これによると、LINE事業の売上は前年同期比66.9%増の97.7億円で、うちゲーム課金が約53%、スタンプ課金が27%の構成になると公表している(図1)。これらの数字を元に計算すると、LINEのゲーム事業による売上は約51億円、スタンプの売上が約26億円ということになる。

 さらにLINEのゲーム事業に関して最近のトピックを上げると、パズルゲーム「LINE ポコパン」が公開72日目となる8月2日に、世界累計1000万ダウンロードを達成。「LINE POP」「LINE バブル」など従来のタイトルだけでなく、LINE ポコパンや「LINE ウィンドランナー」など新しいタイトルもマーケット上で伸びを見せており、LINEがゲームプラットフォームとして大きな存在感を見せているのが理解できる。

 そしてもう1つ、この分野で注目されている企業が、「プロ野球PRIDE」「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」などのヒットタイトルを生み出しているコロプラだ。同社は昨年上場したばかりだが、2013年4~6月期(2013年9月期第3四半期)の売上高は、前年同期比3倍増の約46億円に達し、さらに業績の上方修正を発表するなど好調だ。