物売りのソリューションビジネス化は構造的な矛盾を抱えている、すなわち、一つの事象をとらえても、ほぼ正反対の反応なる二つの異なる考え方をする人が共同作業をする必要があるといったことを前回解説しました。こうした対立する二つのビジネスのうち、ソリューション型の商談で求められるスキルには以下のようなものがあります。

大別すれば

  • 顧客の話をしっかりと「聞き出す」能力
  • 聞き出した話をしっかりとしたフレームワークでまとめる能力
  • それを実行可能な計画に落とし、期待通りの成果に導く能力

の3つです。

 これらはとりも直さず、ソリューション商談のステップを示しています。もちろんこれらは「物売り」でも基本的には同様の流れですが、扱う対象の「やわらかさ」(自由度)が桁違いであるために、ある意味で不連続なスキルが必要になります。

 顧客視点で考えるとは、まず始めに製品のセールストークから始めるのではなく、純粋に顧客の課題を聞き出す必要があるということです。そのために必要なのは質問して聞き出す力です。まずは相手の話を傾聴するという「姿勢」の問題から始まり、次に「質問力」が重要になります。この中でも特に本質的課題を発見するために必要なのが「なぜ?」という質問です。