タイ・バンコクのデータセンター(DC)に、東南アジア地域の基幹系システムを集約したのが、ホンダグループの専門商社「ホンダトレーディング」だ。アジアのシステムを集約するDCハブとして実績が多いシンガポールや香港ではなく、なぜタイのDCを選択したのか。システムの立地戦略やDC選定の背景を、ホンダトレーディングアジアの森田充IT部部長に聞いた。

(聞き手は宗像 誠之=日経コンピュータ


シンガポールや香港ではなく、東南アジア地域のシステム集約地をタイにしたのはなぜか?

ホンダトレーディングアジアの森田充IT部部長(左から2番目)
ホンダトレーディングアジアの森田充IT部部長(左から2番目)

 ホンダの東南アジア地域における統括拠点がタイにあり、ここがエリアの中心となっている。ホンダグループの主要な生産拠点はタイに集まっている。このため、ホンダトレーディングの東南アジア地域の統括拠点もタイに置いている。

 統括拠点であるため、ホンダトレーディングの専任のIT人材もタイ・バンコクの本社オフィスに集まっている(写真)。東南アジア地域の拠点の販売や購買、在庫、会計管理などの基幹系システムを集約して設置するなら、IT人材が多いタイ・バンコクのDCを使うのが最も利便性が高いと判断した。

写真●バンコク中心部にあるホンダトレーディングアジアのオフィス
写真●バンコク中心部にあるホンダトレーディングアジアの本社オフィス
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