中高生のためのスマートフォンアプリのコンテスト「アプリ甲子園2012」(主催:D2C、関連記事:アプリ甲子園2011レポート)の「決勝戦」が2012年9月30日に開催された。この日のイベントでは、160件以上の応募の中から選ばれた11組の作品を「企画力」と「実装力」の観点から評価し、入賞作品を選出した。新鮮な発想と完成度を兼ね備えた作品が並ぶ。審査員のコメントからも、将来性豊かな中高生への期待が感じられた。
プレゼン中に時間配分を教えてくれる「見えるプレゼンタイマー」が優勝
優勝を勝ち取った作品は、The American School in Japan (中学2年)角南萌氏の「見えるプレゼンタイマー」だ。時間配分を確認しながらプレゼンテーションを行うためのiOSアプリである。事前に時間配分を設定すると、アプリ画面に「今話すべき話題と、次に話すべき話題」が表示される。また、残り時間の表示も、内容ごとに色分けして直感的に分かりやすいように作ってある。App Storeで配布中である。
開発者の角南氏は、「通っている学校でプレゼンテーション大会があり、厳しい時間制限があった。そこでタイマーとして使えるアプリとして作った」と説明した。また、アプリの利用方法として「プレゼンテーションに使う以外にも、タスクマネジャー、勉強時間の管理、エッセイライティングの時間配分にも使えるのではないか」と提案した。
審査員からは「中学生がタイムマネジメント(のアプリ開発に取り組む)とは末恐ろしい。企画力、実装力ともに抜群。文句なしの一位」(D2C代表取締役社長 宝珠山卓志氏)と絶賛のコメントが寄せられた。実装に関して講評した中澤仁氏(応義塾大学 環境情報学部 専任講師)は、「単なるタイマーではなく時間配分をしなければならず、教育効果のあるツールだと思う。アイコンの使い方にクセがあって最初使いづらいが、いったん慣れると手の動きだけでサクサク操作できる。標準的なアイコンの動きには従った方がいい」とコメントした。