レノボ・ジャパンが2012年11月16日に「ThinkPad Tablet2」の説明会を開催した(写真、関連記事)。ThinkPad Tablet2は、Clover Trailのコードネームで開発を進めてきたIntelのAtomプロセッサ「Z2760」を搭載するWindows 8タブレットだ。重量も600g以下で、それなりに軽い仕上がりになっている。
Atomは32ビット版のOSしか動かせないし、利用できるメモリー領域も4Gバイトという壁がある。ThinkPad Tablet2も2Gバイトの内蔵メモリーで、カスタマイズすることはできない。
だが、そのことを承知した上で使う分には、れっきとしたWindows 8 Pro搭載機なので、Windows RTのマシンよりも、ずっと柔軟性の高い運用ができるはずだ。少なくとも、来たるべき次期Core iアーキテクチャ「Haswell」時代に目指す、新しい時代のWindowsパソコンを先取りして体験するには、今の時点ではClover Trail搭載機しか選択肢はない(関連記事)。
便利そうだが謎が多い「Connected Standby」機能
その新しい時代のWindowsパソコンが実現する新機能として「Connected Standby」がある。このConnected Standby機能は、Core iアーキテクチャでは次のHaswellから利用可能で最新のIvy Bridgeを含む現在のプロセッサではサポートされない。だが、Clover Trail搭載機であるThinkPad Tablet2では、いち早く利用可能になっている。
今回の説明会で、レノボ・ジャパンは、この「Connected Standby」機能について概要を解説した。それによると、OEMベンダーが許可した場合に、Windows 8のConnected Standby機能が有効になり、スリープ中にも30秒に一回の通信を行うのだそうだ。こうすることで、表面的には電源を切った状態でもバックグラウンドで通信を続け、再度起動したときにすぐに最新の状態で利用できるようになる。
30秒に一回の通信に使われるデバイスは、無線LANやWANなどになるという。USB接続されたデータ通信デバイスではどうなるかや、Bluetoothはどうかといった詳細は、これから順次明らかにしていくとした。
また、この30秒に一度という設定は、OSが既定値として持つものだという。この機能を利用するかしないか、利用するなら何秒に一度になるかといったことを設定するためのGUIなどは用意されないとのこと。
ちなみに、このConnected Standby機能の恩恵を受けることができるのは、Windows 8の新しいUIアプリだけで、従来のデスクトップアプリについてはスリープ中は完全に停止した状態が保たれる。そのため、バッテリの消費は最低限に抑えられるはずだ。
まだ、新しいUIアプリが出揃ってきていない状況で、この機能がどんな用途に便利なのかなど、まだまだわからないところだらけだ。だが、とにかくパソコンのユセージモデルを変える環境が一歩進んだことだけは確かだといえそうだ。
フリーランスライター