レノボ・ジャパンは2012年11月16日、都内でWindows 8タブレット「ThinkPad Tablet 2」の技術説明会を開催した。説明会では日本における販売戦略や技術的な優位性についての説明が行われたほか、開発途中の試作機が展示された(写真1)。ThinkPad Tablet 2の仕様については10月26日の発表会時点(関連記事:レノボ、Windows 8 Pro搭載の「ThinkPad Tablet 2」を発表)から変更はない。

 説明会の最初に、レノボ・ジャパンのThinkPad Client Brand Managerである土居憲太郎氏が登壇し、日本市場における販売戦略について説明した(写真2)。

写真1●展示されたThinkPad Tablet 2
写真1●展示されたThinkPad Tablet 2
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写真2●レノボ・ジャパンの土居憲太郎氏
写真2●レノボ・ジャパンの土居憲太郎氏
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 土居氏は、現在の法人向けタブレット市場について、2万円以下という低価格が求められるAndroidタブレットや、機能を限定した用途で運用管理も特殊なiOSタブレットという選択肢しか存在しないと分析(写真3)。これに対してThinkPad Tablet 2は、Windows 8を採用することで、「セキュリティや運用管理の面で、従来のPCと同じ管理手法を適用できる」(土居氏)と、法人市場における優位性を強調した。

 Windows 8タブレットとiOS、Android、Windows RTなどの競合製品との比較では、既存Windowsアプリが動作し、Active Directoryなどの企業インフラに適合する点で優位性があると分析(写真4)。さらにThinkPad Tablet 2は標準サイズのUSBポートを備えており、プリンタやスキャナなど従来のWindows周辺機器をそのまま活用できる点も優れるとする。「何より、10.1インチのAtom搭載Windows 8タブレットとして世界最軽量だ」(土居氏)として、純粋にタブレット端末としても優れていることをアピールした。

写真3●法人向けタブレット市場の現状
写真3●法人向けタブレット市場の現状
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写真4●競合他社製品との比較
写真4●競合他社製品との比較
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 ThinkPad Tablet 2が対象とするマーケットとして、Javaランタイムを必要とする業務アプリ、医療・建設現場などでのペン活用、小売店での価格表示といったデジタルサイネージ用途、教育現場への教科書用途を挙げた。コンビニの例としては、「既存の業務用タブレット端末をThinkPad Tablet 2で置き換えることで、バックヤードのPCと統合して運用できる」(土居氏)と具体的な提案を行った。

 一方、ThinkPad Tablet 2は、従来型のThinkPadノートPCを置き換えるものではないという。パフォーマンスや生産性という面では、ノートPCが優れるためだ。「まだPCを使っていない、あるいは簡易的にしか使っていない環境で活用してほしい」(土居氏)として、新たな市場を開拓する可能性を示した。

 続けて、日本マイクロソフトの業務執行役員Windows本部本部長藤本恭史氏が登壇。「諸外国に比べ、日本ではタブレットの普及が伸び悩んでいる印象がある。ThinkPad Tablet 2により、新たなタブレット需要を喚起したい」(藤本氏)と国内展開の意気込みを語った。