NTTコミュニケーションズ(NTTコム)のマレーシア現地法人がNTT MSC。日系企業や欧米企業などによるアジア事業拡大を受け、クアラルンプール近郊のサイバージャヤに、マレーシアでは同社としては3カ所目のデータセンター(DC)を2012年4月に開設した。マレーシアでのDCサービスの手ごたえを、NTT MSCの今泉文利プレジデント兼CEOと小野潔バイスプレジデント兼COOに聞いた。

(聞き手は宗像 誠之=日経コンピュータ


NTT MSCによる、マレーシアでのDCサービスの販売状況は?

写真3●NTT MSCの今泉文利プレジデント兼CEO(左)、小野潔バイスプレジデント兼COO(右)
写真3●NTT MSCの今泉文利プレジデント兼CEO(左)、小野潔バイスプレジデント兼COO(右)

今泉:想定以上に引き合いが増えている。NTTコムとしてこれまでマレーシアでサービス提供しているDCの1カ所目と2カ所目はほぼ完売。3カ所目のDCを2012年4月に自社施設として開設したが、9月時点で既に75%のスペースが契約済みだ(写真4)。

 サイバージャヤのNTT MSCの土地は自社所有で、約6.3ヘクタールの広さがある。まだ新しいDCを建設するための敷地はたくさんあり、次の新棟建設を検討し始めている。

 DC利用の顧客数は、3カ所合計で約200社。日系企業の顧客はそのうち3割程度で、残りはマレーシアや欧米のグローバル企業だ。NTTグループは、マレーシアの産業振興策である「マルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)」に早期から参画しており、外資系IT企業としてマレーシア進出の歴史が長い。このため、マレーシアでは「NTT」の認知度は高い。こうした企業ブランドや、自前DCによるサービス品質の高さなどで、現地DC大手ともそん色なく戦えている。

写真4●NTTコミュニケーションズが2012年4月にサイバージャヤで開設した最新データセンター
写真4●NTTコミュニケーションズが2012年4月にサイバージャヤで開設した最新データセンター
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