ユーザーがアプリを探す時の経路としては、主にマーケット内の「ランキング」や「カテゴリ」などが挙げられる。だがApp Store、Google Playいずれも60万と言われているように、マーケット内のアプリ登録数は日々増大を続け、ユーザーがリンクを選んで目的のアプリを見つけるには、限界が訪れている。

 そこで新たな経路として注目を集めているのが、キーワード検索からの流入である。実際、各マーケットのキーワード検索による順位付けには、どのような傾向の違いが見られるのだろうか。

アプリ数の増加でキーワード検索が重要に

写真1●iPhoneのキーワード検索画面
写真1●iPhoneのキーワード検索画面
アプリ数が増え続ける今後は、キーワード検索からの流入が増えると見られる
[画像のクリックで拡大表示]

 キーワード検索は、ユーザーがアプリを探す時に利用する新たな経路として、最近注目されるようになってきている(写真1)。なぜキーワード検索が注目されるようになったかといえば、Webサイト検索の変化を考えれば分かりやすいだろう。

 インターネット黎明期のころ、Webサイトを探すには、主にカテゴリからリンクをたどって目的のWebサイトを見つけるディレクトリ型の検索エンジンが用いられていた。だがその後にWebサイトの数が爆発的に増加したことで、ディレクトリに登録されるWebサイトの数が増え、検索性が大幅に落ちることとなった。一方、キーワードを主体にWebサイトを検索するロボット検索が、Webサイトの増加とエンジンの性能向上によって台頭し、現在に至るまで広く利用されるようになっている。

 アプリマーケットも同じような経過をたどっている。既に2大マーケットのアプリ登録数がそれぞれ60万を超える状況であるうえ、カテゴリの登録基準がもともと曖昧なことから、ユーザーがカテゴリからアプリを探すことは、今後一層難しくなっていくものと考えられる(関連記事:第4回 同系統アプリでもカテゴリが異なる? ダウンロード増のためのカテゴリ選び)。一方で、アプリが増えても比較的手軽に、かつ確実にアプリを探すことができるキーワード検索の利用が今後増えていくと思われる。

 そうしたことから、今後はアプリマーケットの「ランキング」や「カテゴリ」だけでなく、キーワード検索による順位を意識する必要がある。つまり、アプリマーケットに対するSEO(Search Engine Optimization)が求められてくるということでもあるのだ。