マーケットにアプリを登録するうえで、重要となる要素の一つに“カテゴリ”がある。天気予報のアプリは“天気”に、ビジネス系のアプリは“ビジネス”といったように、それぞれのアプリジャンルに適したカテゴリにアプリを登録するのがカテゴリの常識と思っている人も多いだろう。
だがスマートフォンのアプリマーケットの場合、さまざまな要素から、必ずしもそうした常識が通用する状況ではない。では一体、アプリをダウンロードしてもらううえで、どのようにしてカテゴリ選びをすればよいだろうか。マーケットの動向から考察してみよう。
マーケットのカテゴリは登録先が曖昧
アプリマーケットのカテゴリ動向を見て気がつくことの1つに、“複数のカテゴリに同系統のアプリが登録されている”ということがある。特に顕著なのが、「仕事効率化」「ビジネス」「ユーティリティー」(Google Playでは「ツール」が相当する)といったカテゴリだ。
これらは、言葉で判断すると違うように感じられるが、アプリを使う立場からするとその違いは非常に曖昧である。それゆえ、実際のマーケットカテゴリを見ると、同じ系統のアプリでありながら、開発者の判断によって登録するカテゴリが異なるということが少なくない。
それを示す例として、App Storeの有料・無料のランキングの上位200から、それぞれ「ユーティリティー」と「仕事効率化」のカテゴリに属するアプリを抽出した結果をまとめたので、参照して欲しい(表1)。
これを見ると、連絡帳、カレンダー、QRコード読み取りといったアプリは、どちらのカテゴリに登録するか明確ではないようで、重複している傾向が見られる。また音楽・動画のダウンロードアプリや、コミックリーダーアプリが含まれていたりするなど、他のカテゴリに属することが多いアプリも、一部含まれていたりする。
マーケット運営側も、こうしたカテゴリの重複をあえて許容しているのか、積極的に明確な分離をしようとする傾向は見られない。それゆえ開発者にとって、どのカテゴリ登録するべきかは悩み所でもあるのだが、この曖昧さを、ダウンロード数や知名度の向上に役立てる手段として活用することもできる。