アイスブレーカーとは、「会議や講演で、参加者がリラックスして望めるように行う簡単なアクティビティ」のことです。プロジェクト成功率を高めるためにファシリテーションを駆使しているケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズでは、このアイスブレーカーも活用しています(関連記事『ケンブリッジ・ファシリテーション研究所』)。第3回は、会議に役立つアイスブレーカーを紹介します。

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 ケンブリッジはクライアントのプロジェクトに参画し、プロジェクト推進を支援する役割を担います。そのため、会議といえばクライアントが参加するのが普通です。もちろん、そこで繰り返される会議でいろいろなアイスブレーカーを試みています。

 続けていると毎回楽しみにしてくれる方も増えてきます。「明日のアイスブレーカーは何?」「このあいだのあのアイスブレーカー、面白かったから他の会議でも使ってみたよ」といった話がでるなど、アイスブレーカー自体がプロジェクトやお酒の席での話題にもなります。あるプロジェクトではアイスブレーカーがかなり好評だったため、プロジェクトの打ち上げの席で、最も印象に残ったアイスブレーカーの人気投票をしたこともあります。

 アイスブレーカーを通して、参加者の趣味や嗜好、考えていることを探ることもできます。誰かと良い関係を築くためには、まず相手をよく知ることが重要なのは言うまでもありません。ですが、なかなか話をする機会を作れないことも多いのではないでしょうか。そんなときは、アイスブレーカーを情報収集の機会の一つとして使ってみるのも良い手です。

 アイスブレーカーの効果は、会議の場に限ったものではないのです。参加者の考えや嗜好などをさりげなく探ったり、参加者との関係をより親密なものにしたりするためにも活用できます。それでは、参加者との関係を良くしたり、参加者のことを探ったりするのに効果的なアイスブレーカーを幾つか紹介します。

【相手の興味を踏まえたアイスブレーカー】
 クイズや問いかけは、アイスブレーカーとしてよくあるアクティビティです。ただし、同じクイズや問いかけでも、相手のことを踏まえたテーマを選択すれば、関係をより良くする効果が出てきます。

 例えば、外食関係のプロジェクトでは、過去にあったメニューに関するクイズや、海外店舗オリジナルのメニューに関するクイズ、あるいは「新しいキャンペーンをやるとしたらどんなことをしますか?」といった問いかけなど、クライアントの仕事をテーマにするのです。

 やはり誰しも、自分たちの会社のことには興味があるので、とても積極的に答えてくれます。こうしたアイスブレーカーがきっかけになり、いわゆる古株の方が誰も知らなかった秘話を披露してくれることもあります。楽しい雰囲気ができ上がったことが想像できると思います。

 参加者全員が興味を持っているであろうテーマも良い選択です。例えば、サーカーのワールドカップが開かれている時期なら、多くのメンバーが熱心にゲームを見ているので、ワールドカップ自体や参加国に関するテーマでアイスブレーカーを実施するのも良いでしょう。