経営環境が大きく変化する中で、情報システムにも変革が求められている。最大の要件は、ビジネスやアプリケーションの変化に備えるプラットフォームの確立だ。ITベンダー各社はどんな基盤像を描いているのだろうか。ノベルが主張する基盤像と、それを支えるテクノロジーに続き、同基盤の適用事例を紹介する。(ITpro)

 これまでに、ノベルが考える次世代IT基盤像(関連記事)と、それを支えるテクノロジー(関連記事)を提案した。以下では、次世代基盤の適用事例を元に、経営とIT変革の内容について具体的に紹介したい。

 ノベルの戦略的ブランドである「WorkloadIQ」は、「インテリジェント・ワークロード・マネジメント(IWM)」市場の牽引に向けた重要な取り組みの一つだ。IWMは、セキュリティとコンプライアンスを両立しながら、物理環境、仮想環境、クラウド環境におけるポータビリティを実現する仕組みである。

 『次世代IT基盤を支えるテクノロジー』において、WorkloadIQのライフサイクルを実現する、「Build(構築)、Secure(セキュリティ)、Manage(管理)、Measure(評価)」の四つのフェーズを実現するための各テクノロジーについて説明した。

 多くのITベンダーは、これら4フェーズのうち、一つか二つのフェーズをサポートしているに過ぎない。だがノベルは、四つのフェーズすべてをアイデンティティ管理のもとに統合できることを強みにしている。

 ただ、四つのフェーズすべてを導入しなければ、WorkloadIQのメリットを享受できないというわけではない。既存システムを生かしながら、必要に応じて必要なフェーズだけを導入することも可能だ。

 四つのフェーズを実践することで、次のような効果が期待できる。

・セキュリティとコンプライアンスの確立
・ITコストの削減
・設備稼働率の改善
・プロビジョニングのサイクルタイム削減
・エンドユーザー向けITサポートコスト削減
・ユーザーの生産性向上

 以下では、これらの効果を実現している事例をいくつか紹介する。