米国データセンターの電力消費量と予測
米国データセンターの電力消費量と予測
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 今、日本では、この夏にやってくる深刻な電力不足に備え、各業界で大規模な節電策を検討している。IT業界では、電力を大量に消費するデータセンターでの対策に注目が集まり始めた。

 日本と背景は全く異なるが、実は米国にも電力危機があった。電力自由化に端を発し、2000年夏から2001年にかけてカリフォルニア州で電力供給不足が発生。停電が頻発する事態になった。いわゆるカリフォルニア電力危機である。

 米国のIT業界にも電力危機があった。リーマンショック以前は米国で大規模データセンターの建設ラッシュとなり、その電力消費量がうなぎのぼりとなった。2008年以降、既存のデータセンターの約半数が、処理要求の拡大に対応するのに必要なスペースや電力を確保できなくなる、との調査報告もあった。

 「電力不足」という点で経験豊富な米国のデータセンターから、学ぶ点はいろいろあるはずだ。日米で事情は異なるが、米国調査会社のアナリストが現地から報告した連載『電力危機に挑む米国のデータセンター』を参考にしてほしい。

目次

第1回 巨大データセンターが建設ラッシュ

第2回 電力不足が“グリーンIT”を牽引

第3回 コンテナ型が大規模センターの主役に

第4回 迫る電力危機、回避へのシナリオ

第5回 エネルギー効率を高める6つの方法

第6回 データセンターの性能をどう評価するか(前編)

第7回 データセンターの性能をどう評価するか(後編)

第8回 電力のムダはどこから来るのか

第9回 電源管理は系統立てたアプローチが有効

第10回 気流を制すれば冷却コストは下がる

第11回 「自然の力」を活用した冷却とは

第12回 環境規制で大きく揺れるデータセンター