MWC2011の展示会場内を歩くと、時折パソコンの展示会に来たかのような感じになることがある。米インテル、米マイクロソフト、米NVIDIA―――(写真1、写真2、写真3)。社名だけを見ると、パソコン関連の展示会と重複する出展社が多い。そんな中、とりわけスマートフォンの世界で大きな存在感を示しているのがNVIDIAだ。
クアッドコアCPUも登場、夏には搭載タブレットも
MWC2011のNVIDAブースでデモされていたのが、クアッドコア(4コア)のCPUを搭載する新Tegraだ。TegraはCPUやGPUなどを搭載する統合型プロセッサで、CPUにはARM系のアーキテクチャを採用する(写真4)。NVIDAブースで紹介されていた新Tegraは「KAL-EL」のコード名で呼ばれており、CPUはクアッドコア、GPUは12コアと説明されている(写真5)。
KAL-ELの説明書きの横では、実際にタブレットへの搭載を想定したデモが行われていた。千人近くの兵士の3D描画をスムーズに実施するデモなどを実施(写真6)。既存のTegra2と比較すると2倍近い性能が出ているそうだ。説明員によると、2011年夏には搭載製品が市場に出るという。
競合も同じ方向を向いている。米クアルコムは2月14日、多くのスマートフォンに採用されている統合型プロセッサ「Snapdragon」の新版を発表。CPUは最大4コアでその動作周波数を最大2.5GHzに引き上げるという(関連記事)。