これまでの連載ではiアプリに関する技術的なトピックを取り上げてきたが、今回はビジネス面に関する話題を取り上げる。
そもそもビジネス面から見たiアプリの魅力とは何だろうか。「i-appli SQUARE」のラウンジフォーラムには、オープンからそれほど日が経たない早い段階で以下の質問が挙がった。
基本ともいえるこの質問には、市場規模の大きさ(=契約者の多さ)を挙げる回答がいくつか投稿された。
新聞やIT系のニュースサイトなどで見るドコモ端末の販売ランキングの上位はPRIMEとSTYLEのデザイン・高機能の両立のものが占めている。これを考えると、感覚ではありますが、少なくとも年間750万台~1000万台は行っているのではないでしょうか。
Starプロファイルは、2008年冬にiウィジェットが出てきた時と同時と記憶しているので、2008年冬・2009年夏・冬・2010年夏と丸2年間で、1500万台~2000万台は固いのではないかと思いました。
2000万台というと、少なくとも日本では、iPhoneやAndroidの遥かに上をいっていますね。
投稿の中には「iモード契約者は4900万、これに対してiPhoneの販売台数は300万強、Androidは100万」といった情報もあり、iモードの契約者がスマートフォンの契約者よりも圧倒的に多いことを示している。
では、それだけ巨大なマーケットを持つiアプリを開発することで、実際にどれだけの収益(もしくは利益)が上げられるのだろうか。
企業はもちろん、個人でも気になるこのポイントには、実数こそないものの、いくかの実例や推測が投稿された。儲かるか儲からないかは、実際にやってみないとわからないとこもあるようだ。
1. 客先に出向し、契約社員として常駐して開発する。
2. SOHOとして自宅でお客様の依頼に従い、受託開発する。
3. オリジナルアプリを自サイトやドコモマーケット等で販売する。
下に行くほど、収益性の面で難易度が高くなると思います。その分やりがいがあるかもしれませんが。
ちなみに私は2.と3.を平行してやっております。
また、マーケットが大きいという点以外に、ドコモポイントでのiアプリ購入を魅力に挙げる投稿もあった。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20101008/352781/?ST=iappli-dev&P=2
ドコモポイントとは、利用金額に応じて加算されているポイントサービスで、これまでは商品購入時や故障修理時の代金支払いに利用されてきた。そのポイントがiアプリの購入に利用できるとなれば、エンドユーザーは今まで以上に気軽にiアプリが購入できる。iアプリ開発者としては魅力的なポイントだろう。
しかも現在、ドコモポイントは合計で1500億円分以上が使われずに残っている。この「埋蔵金」とも呼べる金額がiアプリの市場に流れ込めば、大きな利益を得るチャンスはかなり高くなりそうだ。NTTドコモとしてもポイントの有効期限延長や利用拡大を推進しているため、エンドユーザーの利用率も今後高まるだろう(関連記事)。
また11月中旬から応募が開始される「iアプリ・アドバンスアワード2010」では、早期エントリーした作品をドコモマーケット内で特集するという予定がある(応募要項)。この特集で開発したiアプリが取り上げられれば注目度は格段に高まり、iアプリへの太い導線になることは間違いない。ビジネス的なメリットを少しでも得たいのであれば、このようなチャンスやタイミングを活かしたいところだ。
[出典]
トピック「iアプリの魅力ってどんなところ??」 - ラウンジフォーラム
トピック「iアプリの開発だけで生活できますか?」 - ラウンジフォーラム
トピック「ビジネスの場としてのドコモマーケット」 - ラウンジフォーラム