9月25日に都内で開催されたiアプリ開発者向けイベント「iアプリ・デベロッパーキャンプ in Tokyo」。第1回のNTTドコモ 山田和宏氏に続き、iアプリ黎明期からその開発に携わるテックファームの取締役副社長兼CTO 小林正興氏(写真1)が講演した。
日本の携帯は最初から「スマート」
iPhoneなどの台頭以来、携帯電話は「スマートフォン対ガラパゴス端末」という構図で語られることが多くなった。しかし、小林氏は「とっくの昔にスマートだった日本の携帯には、実はあまり関係ない」と切り出す。
スマートフォン登場以前のアメリカでは、携帯電話は通話機能とSMS(ショートメッセージサービス。短文を送るメールサービスの一種)機能程度しか搭載していないものがほとんどで、わずかなブラウザ機能があれば御の字という状況だった。そうしたなかに現れたのが、フルブラウザを始め、さまざまな機能を搭載した「賢い電話=スマートフォン」だったのだ。
では、日本の“ガラパゴス端末”とスマートフォンは性能面でどの程度、差があるのだろうか。氏はiPhone 4(アップル)、Xperia(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)と、ガラパゴス端末の代表としてF-06B(富士通)を比較する(図1)。
並べて比較すると、重さ、画面サイズ、解像度に大きな差はない。解像度はいずれも300ppi(ピクセルパーインチ、1インチあたりのピクセル数)前後。人間の目は300ppi以上細かい部分はほとんど認識できないと言われている。300ppiあれば人間が目で見るものはほぼ表現できるという。なお、F-06BのCPUの動作周波数については公表されていないが、「1GHzにかなり近いと言われている」(小林氏)ようだ。
1300万画素の静止画に、フルHD動画の撮影が可能なカメラなど、スマートフォンと比べても遜色ない高度な技術が盛り込まれているF-06Bだが、小林氏が特に注目するのがバッテリーだ。スマートフォンと同等の機能に加えて、ワンセグやFMトランスミッタなどスマートフォンにはない機能を搭載しながら、端末の重さに差がないのは、バッテリー容量がスマートフォンの約半分と小さいためだ。しかも、待ち受け時間はスマートフォンの2倍以上。スマートフォン以上に“スマート”な技術が詰め込まれているのがガラパゴス端末なのだ。