米Microsoftのある社員が先日Windowsの次版「Windows 8」に関するブログ記事を投稿した。だが、同社はその記事をすぐに削除してしまった。その記事にはなかなか興味深いことが書いてあった。

 まず目に付いたのは、Microsoftが次期WindowsをWindows 8と呼んでおらず、非常にありふれた社内用語の「Windows Next」という名前を使っていた点だ(同社は次期製品を示すのに「Next」や「v.Next」といった表現をよく使う)。

 これは注目すべきポイントである。筆者が以前指摘したとおり、Microsoftは今後Windowsのメジャー・バージョンやマイナー・バージョンを開発しないからこそ次版をこう呼ぶのだ(関連記事:次期Windowsの提供は3年後? それとも5年後?)。つまりWindows 8は、呼び名はどうあれWindowsの新バージョンに過ぎない。

 問題のブログ記事には、ほかにも「次期Windowsはみんなの予想を完全に覆すものになる」と奇妙なことが書いてあった。この発言が発端となり、Microsoftをよく理解していない人たちによる深読みした的外れのブログ記事が大量生産された。Windows 8はクラウドOSでもなければ、それに類するつまらないOSでもない。単なる次期Windowsなのだ。

 筆者が望む次期Windowsの姿は、仮想化技術が当たり前になって(Windows 8登場以前の)古いアプリケーションを利用できる、というものだ(これならWindowsの中核部分を変更する必要がないし、前述したブログ記事の表現「予想を完全に覆す」とも矛盾しない)。さらに、技術的に古い環境から切り離された新システムを作らないで済むといい。結局のところ、筆者も深読みしてしまった。