「米Microsoftは,2009年11月第3週に開催したPDC(Professional Developers Conference)で次期サーバーOS『Windows Server』のリリース時期を2012年とするスライドを何枚も見せた」と多くのメディアが報じた。これは事実であり,この情報から次期クライアントOS「Windows 8」も同じタイミングでリリースされると予想できる。

 筆者は複数のMicrosoft内部関係者に真偽を確かめ,新たな情報も入手した。それによると,同社は今後WindowsおよびWindows Serverの新バージョンを3年おきにリリースしていく計画という。この新バージョンとは,これまでと違ってメジャー・バージョンやマイナー・バージョンでなく,単に新バージョンとなる。

 この計画は,Microsoftが「Windows Vista」発売後3年で「Windows 7」を出した成功体験を下敷きにしているわけだが,それだけではない。今や同社内でほとんどのグループが,『実装する機能の準備が完全に整うまで情報公開を最小限に抑え,約束などしない』というWindows 7のリリース手法をまねているのだ。

 これはよい方法だろうか。確かにWindows 7ではうまくいった。ただしWindows 7は,Windows史上で最も大げさな約束や過剰な宣伝が展開されたWindows Vistaの後に発売されたOSなことを忘れてはいけない。

 筆者の予想だと,次期Windows/Windows Serverの登場は約5年後だ。また,Microsoftは「ある製品(もしくは特定のバージョン)で成功した方法があらゆるソリューションに適用できるとは限らない」という理由でこのリリース計画を断念するだろう。

 もっとも現時点では,まだ立てたばかりの計画の話だ。