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 電話機やUC(ユニファイドコミュニケーション)を利用した、ちょっとしたTipsやライフハックを紹介していく「能地・UCライフハック研究所」。第2回では、スピーカーフォンやミュート、ヘッドセットなど電話をもっと快適に利用する方法を説明しました。今回は、1対1のコミュニケーションツールと認識されがちな電話による「三者通話」を紹介します。出張費が削減できるかもしれません!? なお最終ページでは、電話会議についてのアンケートを設けましたので、是非ご回答ください。

 サブプライム問題以降、業績悪化などを理由に、出張を制限している企業が少なくないようです。とはいえ、地方にもお客さんや取引先、あるいは社内拠点があるわけで、打ち合わせをしないわけにはいきません。そのため、出張せずに打ち合わせができるビデオ会議などが注目を集めているようです。

 しかし、ビデオ会議システムを新たに導入するとなると、出張費削減効果はあるものの、導入コストが発生します。もっと手軽に、もしかすると、現在導入している電話のシステムだけで、すぐにでもオンライン会議ができる方法があることをご存知でしょうか?ビデオ会議に比べると臨場感は限定されるかもしれませんが、打ち合わせという目的だけのためであれば、十分に方法だと考えます。最終ページでは、三者会議についてのアンケートを設けましたので、是非ご回答ください。

「大分の客先まで、東京から説明に来てほしい」

 最初に、以前勤務していた会社での出来事を紹介しましょう。当時は、ある製品を扱うプロダクトマネージャでした。あるとき、大阪のSEマネジャーから、「大分のお客さんのために、特別なライセンスを策定してほしい」と頼まれました。ちょっとだけ複雑な数式を使い、お客さんにも納得いただけるであろうライセンスに仕上げられました。それを大阪のSEマネジャーにメールで送信し、その後に電話でライセンスの仕組みや考え方を説明しました。

 すると、「能地、悪いんやけど明日一緒に説明に来てくれへん?」と言ってきたのです!スケジュールもそれなりに埋まっていたし、何よりも1時間の打ち合わせのためだけに、東京から大分まで往復7~8時間をかけることは、いくらお客さまへの説明とはいえ、リーズナブルだとは思えませんでした。

 SEマネジャーが東京にいれば、2人で会議室に籠もり、スピーカーフォンの機能を使ってお客さんと話せば、3人での打ち合わせができます。しかし、彼は大阪にいます。「来い」「行けない」の押し問答を繰り返した末に、以前に米国本社のプロダクトマネージャが筆者にかけてきた「三者通話」という仕組みを思い出しました。文字通り、三者(三人)で電話をするPBXの機能です(仕組みや機能は後述します)。

 当時の会社では、偶然にも現在勤務しているアバイアの電話を使っていました。ですが、機能など全く使いこなせていませんでした。三者通話を思いついたまではいいのですが、やり方が分かりません。そこで、120人ぐらいいた東京オフィスの従業員に、「どなたか三者通話のやり方を教えてください!」という一斉メールを出し、唯一使い方を知っていた社長秘書を見つけることができました。予定の時間には、彼女に操作してもらい、何とか三者通話を開始することができました(本当は簡単なのですが、特別な操作が必要で難しい仕組みだと感じていたのです)。

 三者通話を始めるに当たり、打ち合わせで使用する提案書とコストシュミレーションをSEマネジャーとお客さんに事前に送りました。それを見てもらいながら電話で説明しました。お客さんは、不明な点があると、筆者に質問してきましたが、SEマネジャーにもその声はちゃんと聞こえているため、技術的な質問には彼が答えてくれました。

 最終的にお客さんは説明に納得してくださり、一部修正を加えた資料を筆者が送った後に、役員会で承認申請をして下さることになりました。今思うとドタバタの三者通話でしたが、大分、大阪、東京と離れた場所にいるメンバーが、直接会うことなく打ち合わせ、合意に達した出来事でした。