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 「創造的な仕事(クリエイティブワーク)」を進めるために、PCの機動性を高め、「いつでも、どこでも、誰とでも」協働できるようにする。協働、すなわちコラボレーションのために、Web会議のような新しいインフラも必要だ、とシグマクシスの戸田輝信パートナーは説く。本講義に質問や意見がある方は、最後のコメント欄に記入いただきたい。連載終了後、代表的な質問について戸田氏から回答してもらう予定である。(EnterprisePlatform編集部)

 本講義も5講目であり、今回でいったん締めくくる。これまで第1講 では、クリエイティブワークの重要性とそのために「いつでも どこでも 誰とでも」協働できる新しい情報インフラが必要であると述べた。まとめとして、そのコンセプトをまとめた図2を再掲する。

図2●クリエイティブワークのサポート
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 続く第2講 では、PCの持ち出し持ち込みを実現するためのアプローチとして、従来の鎖国型に対する「遊牧型」を提案した。

 そして具体策として、第3講 でPCのセキュリティを担保する方法を、第4講 でサーバーのアクセス制御方法を、それぞれ説明した。

社会インフラを活用し遊牧型を実現する

 PCについては、導入するソフトウエアを統一し、他のネットワークに接続すること、持ち歩くことを前提に設計する。次にサーバーエリアの構成を見直す。サーバーが、アクセスしてくるPCの正当性と論理的構成の正しさを判断できるようにする。

 これらを実現すれば、PCの使用場所は社内でも社外でも関係なくなる。社内でも社外でも変わらない形態でネットワークを利用できるため、社内ネットワークを構築する必要がなくなる。鎖国型は社内ネットワークが必須で、なおかつそのネットワークを部外者の接続から守らなければならなかったが、そうしたことは不要になる。

 ネットワークは今や社会インフラとなっている。PCの持ち出し・持ち込みを自由にするアプローチは、社会インフラを使って「いつでも どこでも」を実現しようというものだ。PCを万が一紛失し、あるいは盗まれたときは、それまでのデータはサーバーにあるバックアップファイルから戻せばよい。PCが第三者の手に渡っても、IDやパスワードや物理認証因子がなければ起動さえできない。仮に起動できたとしても、さらにOSへのログオンが必要となる。サーバー側では、そのPCを無効にしておけば、アクセスできず、サーバー内の安全性は担保される。

 ここまでの説明は主として、「いつでも どこでも」の実現方法であった。クリエイティブワークを推進するためには、「誰とでも」の実現も必要だ。その一例として、シグマクシスが採用した共同作業型Webコラボレーションシステムを紹介して、締めくくりとする。これはWebアプリケーションの一つであるが、クリエイティブワークの情報インフラの一つと言えるだろう。