※ 記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります。
「リレーショナル・データベースが便利で重要なものだとわかってはいるけど…」,やっぱり苦手という方も少なくないと思います。今回は,「A5:SQL Mk-2」というフリーソフトで,MySQLのテーブルを作ります。図を描いてテーブルの定義を生成する,こんなアプローチでデータベースに親しんでみてはいかがでしょう?
リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)はソフトウエア開発に欠かせないものになってきました。無償で使えるものには,「DB2 Express-C」「Firebird」「My SQL Community Server」「PostgreSQL」などがあります(最終ページの表参照)。でも,今回の目玉は「A5:SQL Mk-2(以下A5:SQL)」という,データベース関連のツールです。A5:SQLを使うと,マウスなどの操作でER(Entity Relationship)図を描き,そこからRDBMSのテーブル定義を作成できます。A5:SQLを使ってみることで,データベースに親しみが持てるようになるかもしれません!
OLE DB/ODBCドライバがある多くのRDBMSに対応
A5:SQLは,OLE DB(Object Linking and Embedding DataBase)あるいはODBC(Open DataBase Connectivity)ドライバを経由してRDBMSと接続すると,作成したER図の情報からデータベースのテーブルを作成するDDL(Data Definition Language)文を生成し,それを実行してテーブルを作ってくれます。DDL文はSQL文の一種で,データ構造の定義に利用するものです。
ただ,RDBMSによって使える機能は異なってきます。RDBMSごとの制限についてはこのページを参考にするとよいでしょう。米Microsoftの「SQL Server 2005」との組み合わせでは,ほとんどすべての機能が使えるようです。
MySQLをインストール
今回の記事では,「MySQL Community Server(以下MySQL)」と,そのODBCドライバ「MySQL Connector/ODBC」,そしてA5:SQLを組み合わせて利用してみます。MySQLをインストールしたら,インストール後に動作する「MySQL Server Instance Configuration Wizard」で文字コードを「sjis」に設定してください(図1)。MySQLをインストールしたら,MySQL Connector/ODBCをインストールしてください。

次に,Windowsのデータソースを設定します。「スタート」ボタンを押して「コントロール パネル」→「管理ツール」を開いてください*1。開いたウィンドウの中から「データ ソース(ODBC)」をダブルクリックします。
すると図2のようなダイアログが開きます。ここで,右側にある「追加」ボタンを押すと「データソースの新規作成」というダイアログが開きます。リストボックスをスクロールさせて「MySQL ODBC 3.51 Driver」を選択して「完了」ボタンを押すと,MySQLのODBCドライバ設定のダイアログが開きます。「Data Source Name」に任意の文字列を入れて(ここでは「MySQL ODBC」としました),「User」の欄に「root」,「Password」の欄にMySQLインストール時に設定したrootのパスワードを入力してください。次に,同じダイアログの「Connect Options」タブを開き,「Character Set」の項目を「cp932」に設定します。これはシフトJISを示します。これで,図2の画面に新しいデータソースが登録されました。

MySQLの操作をもう少し続けます。Windowsの「コマンドプロンプト」を起動し,
mysql -u root -p
と入力してEnterキーを押してください*2。rootユーザーのパスワードを聞いてきます。正しいパスワードを入力すると,「MySQL monitor」が起動し,左端のプロンプト文字列が「mysqlпvに変化します(図3)。そこで
create database a5_test;
と入力してEnterキーを押します。これは,「a5_test」という名前のデータベースを作成するコマンドです。A5:SQLはRDBMSではなく,RDBMSが管理しているデータベースに接続します。A5:SQLを利用するには,あらかじめデータベースを用意しておかなければならないのです。