Windowsの起動トラブルにはセーフ・モードを使うのが一般的だが,セーフ・モードすら起動しない障害がある。そのようなときは「回復コンソール」を起動すると,解決できる場合がある。回復コンソールは,NTFSのディスクを備えたコンピュータに対して,ローカルのAdministratorの権限でログオンできるコマンド・ライン・ベースのOSである。MBR(マスター・ブート・レコード)やブート・セクターの障害を修復するのは厄介だが,回復コンソールをWindows 2000/XPのCD-ROMから起動させ,コマンド操作することで復旧できる。

 前回は,起動しなくなったWindowsを,セーフ・モードで復旧する方法について説明した。しかし,セーフ・モードが起動するということは,少なくとも最小限の構成でWindowsが起動して,いくつかの機能が利用できている。

 ところが,全く何も起動しないという状況になったらどうだろうか。そう,セーフ・モードはおろか,スタートアップ・メニュー(起動メニュー画面)すら表示できないという状況である。

 こうなると,多くのユーザーの脳裏には「Windowsの再インストール」という言葉がチラつくかもしれない。しかし,それは本当に最後の手段なのであって,その前に「回復コンソール」機能があるのだ(図1)。今回は,Windowsの起動画面すら出ない状況なのに,なぜ回復コンソールで復旧できるのか,解説しよう。

図1●セーフ・モードもダメなときは回復コンソールの出番
図1●セーフ・モードもダメなときは回復コンソールの出番
セーフ・モードすら起動しない場合,もはやWindows上からの修復は不可能である。残された手段は「回復コンソール」からコマンドを利用して,MBRを修復するなどになる。