メイン基板をはずした(Androidケータイ分解その3)後は,メイン基板の下にあったキーボードの分解にとりかかった。「5段のキーボードというのが特徴ですね」と,分解に協力いただいた技術者は言う。QWERTY配列のキーボードを搭載したスマートフォン製品は珍しくないが,その多くは3~4段で,数字の列がない。5段のキーボードは,2006年に発売されたウィルコムの「W-ZERO3」などを除くと,かなり最近になってようやく増えてきた。G1も最新の流れに乗っているわけだ。
分解前のキーボードの使用感は「ちょっとキーが薄くて少し押しにくい」(技術者)。分解したキーボードの部品も非常に薄いようだ。技術者は「どこのメーカーだろう」と自問自答しながらも,「特段にすごい構造というわけではないですね」,と感想を漏らした。
ディスプレイをスライドさせてキーボードのある本体が現れる構造のT-mobile G1の,本体側の分解は,トラックボールなどがある部分を残してほぼ終了した。残った部分は,ディスプレイ側とつながっていて簡単にははずせないため,まずディスプレイを分解することにした。
ディスプレイ側の筐体は,一体性が高くなかなか分解できない。苦労して分解していくと,液晶パネルのカバーを兼ねたタッチ・パネル,液晶パネル,薄い金属板,スライド式ディスプレイの可動性を実現する機構を備えた黒いプラスチックの筐体に分かれた。「あれ,こんなところにも振動モータがある」(技術者)。
この振動モータは,液晶パネルとプラスチックの筐体の間の薄い金属板の端に付けられていた。最初に見つけた振動モータと合わせて,このG1には,2個の振動モータが使われていることになる。一つはキーボード側筐体,もう一つはディスプレイ側筐体に分かれて置かれていた。二つの振動モータを備える理由は,いくつか推測は出たものの,結局はハッキリしなかった。