アンテナを確認した後(Androidケータイ分解その2),いよいよメイン基板の取り外しにかかった。技術者が基板を一通り眺めた後,「これはパナソニック製の基板ですね」と声を上げた。基板上に松下の「M」の刻印が確かにある。技術者によれば,最近の台湾HTC社製スマートフォンの多くが,パナソニック製の基板を使っているのだそうだ。基板の厚さを測ったところ,約1.1mmだった。
コンパス用モジュールを発見
メイン基板には,カメラ・モジュールが長いフレキシブル基板でつながっている。メイン基板には,このフレキシブル基板向け接続端子のある面と反対側に,約4.5mm角の銀色のモジュールがあった。モジュールにある文字は「AKM8976A」と読める。Webで調べるとすぐに,旭化成マイクロシステムのコンパス用磁気センサ・モジュールであることが判明した。
米T-mobile USAは,このT-mobile G1に,スマートフォンとしては初めてコンパス機能を搭載したと発表している。Google社の「ストリート・ビュー」とこの機能を組み合わせて,ユーザーが向いた方角の現地の景色が見られるというのが,このG1の「売り」の一つだった。この新機能を提供していたのも日本メーカーだったわけだ。