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Googleのサービス統合がMSのビジネスモデルを脅かす?!少し大胆な仮説を立ててみたい。「スパムメールがまん延すると,Microsoftのビジネスモデルが崩れていく」―。風が吹けば桶屋が‥‥のようで突拍子もない感があるのなら,「Googleの利用者が増えれば,Microsoftのパッケージ・ソフトを使う人が減る」とでも言い換えればいいだろうか。実はこれ,筆者の会社のある人物が言い出したことなのだが,あながち否定できない本質を見抜いているのではと考え,本コラムで取り上げることにした。 Googleのメール・サービス「Gmail」に備わった機能に,パソコンの使い方のブレイクスルーのようなものを感じるのだ。これはGoogleの提案であり,同社が目指す方向とも考えられる。そして今起こっている市場の変化を象徴していると言ってよいだろう。今回はGoogleのサービスを通して,そうした変化の背景について考えてみたい。
GmailとGoogle Docsのみごとな連携機能Gmailではメールに添付ファイルがある場合,メッセージ本文の画面下に「Open as a Google document/Google ドキュメントとして開く」という文字を表示する(写真1)。これをクリックすると,Googleのオンライン・ワープロ/表計算サービス「Google Docs(Googleドキュメント)」で添付ファイルが開かれる。
同時にそのファイルはGoogle Docsに自動保存される(写真2)。この連携機能が現在対応しているファイル形式は,テキスト(.txt),Microsoft Word(.doc),Excel(.xls)の3つ。メールにこの3つのいずれかのファイルが添付されていれば,メッセージ内にこのリンクが付く。
Google Docsは,Webブラウザ上で文書の作成/保存/共有などができるサービス。デスクトップ上の既存ファイルをアップロードすることも可能で,Word,Excelのほか,Open Office,HTML,プレゼンテーション・ファイル(.ppt/.pps)などもアップロードできる。この6月には,PDFにも対応した(関連記事:Google DocsでPDFファイルのアップロードが可能に)。 核心に迫っていこう。つまりこのGmailとGoogle Docsの連携機能は,次のようなことを意味する。日常でやりとりするメールにGmailを使っていれば,添付ファイルを保存するという行為が不要になる。バックアップのためにあらためてファイルをアップロードするという必要もない。普段メールをやりとりする際にユーザーがとる一連の行為ですべてが完結する。自動的に,ごく自然にデータがネットに蓄積されていくのだ。
次世代パソコンの姿が見えてきた!?Gmailは,スパム対策効果が高いメール・サービスと定評がある。それもそのはず,Gmailは全世界のユーザーに無料で提供され,膨大な数のユーザーが日々それぞれの受信メールからスパムを削除している。その情報がGoogleに蓄積され,それをもとにGmailはスパムメールの定義を更新している。その精度は非常に高い。個人のデスクトップのメール・ソフトに備わるスパム・フィルターには到底まねのできない技だ。 Googleは企業や個人の独自ドメインでGmailを利用できるようにするサービスも提供しており,Gmailによってユーザーの囲い込みを図っている。Gmailのユーザーが増えれば増えるほど,Google Docsを使う人も増えていく。これによりWordやExcelといったプロダクティビティ分野のソフトは,どんどんネット上に移っていく。つまり,パッケージ・ソフトの販売で現在の地位を築いてきたMicrosoftのビジネスモデルを崩壊させることになる――。これが冒頭の仮説の説明だ。少し強引だろうか? しかし,今や毎日Googleでメールを送受信し,文書もGoogleで作成/保存,PowerPointのスライドショーもGoogleで利用しているという人も少なくない。そういう人たちは,日々の業務や生活に必要なファイルのすべてをネットに保存しているのだ。 彼らの使い方を見ていると次の時代のパソコンの姿が見えてくるような気がする。今後,PDFやPowerPointなど,Google Docsで扱うことのできるあらゆるファイルがGmail―Google Docs間の連携でサポートされることだろう。利便性が向上することから,やがて多くの人が検索以外でGoogleのサービスを使うようになる。人々はファイルをパソコンに保存しなくなる,と同時に,バックアップという行為もしなくなる。その必要がなくなるからだ。
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