概要  
NetBIOS名の問い合わせに使用する。問い合わせのクエリーは基本的にはブロードキャストで送信するが,特定のホストに対してユニキャストで問い合わせすることも可能。また,オプションの設定によりコンピュータ・ブラウジングに関しても確認できる。なお,DNSの問い合わせをするnslookupコマンドと違って,対話型では実行できない。

 構文  
nmblookup [-M | --master-browser] [-R | --recursion] [-S | --status] [-r | --root-port] [-A | --lookup-by-ip] [-n NetBIOS名 | --netbiosname=NetBIOS名] [-i NetBIOSスコープ | --scope=NetBIOSスコープ] [-W ワークグループ名またはドメイン名 | --workgroup=ワークグループ名またはドメイン名] [-O ソケット・オプション | --soket-options=ソケット・オプション] [-B ブロードキャスト・アドレス | --broadcast=ブロードキャスト・アドレス] [-U ユニキャスト・アドレス | --unicast=ユニキャスト・アドレス] [-s SMB設定ファイル名 | --configfile=SMB設定ファイル名] [-d デバッグ・レベル | --debug=デバッグ・レベル] [-l ログ・ファイル名 | --log-basename=ログ・ファイル名] [-T | --translate] [-f | --flags] {NetBIOS名}

または

nmblookup {-V | --version}

または

nmblookup {-h | --usage}

または

nmblookup {-? | --help}


 利用環境  
Red Hat Enterprise Linux 3 ○(samba-client 3.0.9-1.3E.12で確認)

 オプション 
-M | --master-browserマスター・ブラウザを検索する。具体的には,{NetBIOS名}で指定したNetBIOS名についてマスター・ブラウザを表すタイプ「0x1d」として検索する。指定したNetBIOS名が「-」の場合は「__MSBROWSE__」が検索対象となる。ただし「-」を検索対象とする場合は,「nmblookup -M -- -」のように「-」が引数として扱われないよう注意する必要がある。
-R | --recursionWINSサーバーに対して問い合わせをする場合に,再帰検索を行うように設定する。
-S | --status問い合わせに対してIPアドレスが通知された場合に,併せてノード・ステータスを問い合わせして,そのホストが持つNetBIOS名の一覧が通知されるようにする。
-r | --root-port問い合わせにUDPの137番ポートを使う。Windows 95 のホストに対して問い合わせをする場合には,この設定をする。
-A | --lookup-by-ip{NetBIOS名}で指定した内容をIPアドレスと解釈して,ノード・ステータスの問い合わせを併せて実行し,そのホストがもつNetBIOS名の一覧が通知されるようにする。
-n NetBIOS名 | --netbiosname=NetBIOS名自分自身のNetBIOS名を指定する。このオプションでの指定はsmb.confファイルでの設定内容よりも優先する。
-i NetBIOSスコープ | --scope=NetBIOSスコープNetBIOSスコープを設定する。通常の利用ではこのオプションを指定することはない。
-W ワークグループ名またはドメイン名 | --workgroup=ワークグループ名またはドメイン名指定したユーザーの属するワークグループまたはドメインを設定する。NetBIOSドメイン名にサーバーのNetBIOS名を指定すると,サーバーのローカル・ユーザーとしてログオンを試みる。このオプションはsmb.confファイル内で指定したデフォルト・ドメイン名よりも優先される。
-O ソケット・オプション | --soket-options=ソケット・オプションソケット・オプションを指定する。ここで指定する値はsmb.confファイルのマニュアル中にあるsocket optionパラメータで確認できる。
-B ブロードキャスト・アドレス | --broadcast=ブロードキャスト・アドレス指定されたブロードキャスト・アドレスに対して,問い合わせを送信する。
-U ユニキャスト・アドレス | --unicast=ユニキャスト・アドレス指定されたアドレスもしくはホストに対し問い合わせを送信する。WINSサーバーを検索対象とする場合は必須となる。
-s SMB設定ファイル名 | --configfile=SMB設定ファイル名サーバーの提供するサービスなどの関連情報を含む,設定ファイルを指定する。
-d デバッグ・レベル | --debug=デバッグ・レベルコマンド実行の動作に関する情報をログ・ファイルに出力する,デバッグ・レベルを0から10までの整数で指定する。通常は既定値の0(致命的なエラーと重大な警告のみ)か1(0 を指定した場合に加え稼働状況を記録)に設定する。3 より上のレベルは開発者向けとなっている。また,このパラメータでの設定は smb.conf の内容より優先される。
-l ログ・ファイル名 | --log-basename=ログ・ファイル名ログおよびデバッグ・ファイルの名前を指定する。拡張子として「.client」が付加される。
-T | --translate問い合わせ中に発見されたすべてのIPアドレスに対して,DNS の逆引きを実行する。
-f | --flags問い合わせの結果として得られた情報に関するフラグを表示する。Response(反応),Authoritative(信頼性),Recursion_Desired(再帰的な要求),Recursion_available(再帰的な可用性),Broadcast(ブロードキャスト)などの中から表示する。複数のフラグが表示される可能性もある。
NetBIOS名問い合わせの対象となるNetBIOS名を指定する。オプションで「-A」を指定した場合はIPアドレスとなる。名前の最後にタイプを「#1b」といった形で追加指定することもできる。また,「*」とすれば問い合わせ対象の範囲で確認可能なすべてのNetBIOS名が通知される。
-V | --versionバージョン情報を表示する。
-h | --usage使用方法を表示する。
-? | --helpオプション一覧を表示する。


 使用例1:問い合わせたホストの持つ全NetBIOS名を確認する(クリックで詳細表示)  
nmblookup -f NetBIOS名

 使用例2:マスター・ブラウザを検索する(クリックで詳細表示)  
nmblookup -f -M -- -