概要  
WindowsサーバーやSambaサーバーにあるSMB/CIFSの共有ポイントを,LinuxのSMBファイル・システム(smbfs)としてマウントする。smbmountコマンドはデーモンとして動作し,マウントした後はアンマウントされるまで動作し続ける。また,利用するLinuxカーネルがsmbfsをサポートする必要がある。

 構文  
smbmount {サービス名} {マウント・ポイント} [-o オプション]
※サービス名とマウント・ポイント以外のオプション項目は,-oの後に[オプション名]=[パラメータ]の形式で指定する。複数のオプションを指定する場合は,コンマ(,)で区切って指定する。具体的なオプションについては下記を参照。

 利用環境  
Red Hat Enterprise Linux 3 ○(samba-client 3.0.9-1.3E.12で確認)

 オプション 
サービス名利用したいサービス名を「\\サーバー名\共有名」の形式で指定する。コマンド・ライン(ターミナル)から実行する際には,バックスラッシュ(\)を二重に入力する。
マウント・ポイントマウント先となるデバイスやディレクトリを指定する。
username=ユーザー名接続に用いるユーザー名を指定する。指定されない場合は環境変数「USER」の内容が使用される。
password=パスワードサーバーおよび共有への接続に必要なパスワードを指定する。パスワードの指定あるいは guestオプションを設定せず,さらに環境変数「PASSWD」からも値を取得できない場合は,プロンプトが表示されパスワード入力が要求される。
credentials=ファイル名接続に使用するユーザー名とパスワードを,指定したファイルから読み込む。ファイル形式については,以下の使用例を参照。
krbKerberosによる認証を試みる。Active Directory環境でのみ有効である。
netbiosname=NetBIOS名送信元,すなわち自分自身のNetBIOS名を指定する。
uid=ユーザーIDまたはユーザー名マウント先のファイル所有者 (owner) として用いるユーザーを,ユーザーIDもしくはユーザー名で指定する。
gid=グループIDまたはグループ名マウント先のファイル所有グループ(owner)として用いるグループを,グループIDもしくはグループ名で指定する。
port=ポート番号サーバーに接続するときのあて先ポート番号を既定の TCP 139 から変更する場合に用いる。
fmask=マスク値リモート接続したファイルのローカルにおけるパーミッション・マスクを指定する。既定では現状の「umask」で指定しているマスク値を元に設定される。
dmask=マスク値リモート接続したディレクトリのローカルにおけるパーミッション・マスクを指定する。既定では現状の「umask」で指定しているマスク値を元に設定される。
debug=デバッグ・レベルログファイルに出力する,デバッグ・レベルを整数値で指定する。推奨値は「4」で,大きな値を指定すると大量のログが出力されることになる。
ip=IPアドレス接続先サーバーをIPアドレスで指定する。通常はサーバー名として指定したNetBIOS名から名前解決して得られたIPアドレスをあて先として接続する。
workgroup=ワークグループ名接続先のワークグループを指定する。
sockopt=ソケット・オプションソケット・オプションの指定。指定する値はsmb.confファイルのマニュアル中にある「socket option」パラメータで確認できる。
scope=NetBIOSスコープNetBIOSスコープを設定する。通常の利用ではこのオプションを指定することはない。
iocharset=キャラクタ・セット名Linux側のキャラクタ・セット(文字コード)を,「iso8859-1」や「utf8」といった名前で指定する。
codepage=コード・ページ名接続先サーバー側のキャラクタ・セット(文字コード)を,「cp850」といった名前で指定する。
unicodeサーバーとのやり取りにUnicodeを使う。
lfs2Gバイト以上の大きなファイルを扱えるようにする。カーネル2.4.25以降のLinuxでのみサポート。
ttl=時間ディレクトリのリストをキャッシュする時間をミリ秒単位の整数値で指定する。既定値は1000(ミリ秒)である。多くの場合は10000ミリ秒(=10秒),遠隔地の場合などはより大きな数値を指定することでパフォーマンスが向上する。カーネル2.4.2以降のLinuxでのみサポート。
guestこのオプションを指定すると,パスワードを入力要求しなくなる。
roread-only(読み取り専用)としてマウントする。
rwread-write(読み書き可能)としてマウントする。


 使用例:SMB/CIFSサーバーの共有ポイントをマウントする(クリックで詳細表示)  
smbmount \\\\サーバー名\\共有名 マウント・ポイント