「本当の原因は何だったのか,今でも分からない」と首をひねるのは,松井証券のグループウエア移行作業を請け負った日立情報システムズの片山敏彦氏(ソリューションサービス事業本部 金融情報サービス事業部 第一設計部 主任技師 )だ。

 松井証券は現在,社内の情報共有のためにマイクロソフトのグループウエア「Exchange 2000 Server」を利用している。しかし,実は昨年の夏から秋にかけて,旧バージョンのExchange Server 5.5から現在のExchange 2000 Serverに移行する際に,2つの大きなトラブルに見舞われた。一つは,ディスク・アクセスの障害。もう一つは,データ移行の障害である(図1[拡大表示])。

 情報システム部門とインテグレータの試行錯誤と奮闘努力によりトラブルは何とか乗り切ったが,一時は「頭を丸めて社員に謝るしかないと覚悟した」と松井証券 総務部 システム課長 樋口昭博氏は振り返る。

  • 最悪のタイミングで不具合 <上>
  • チェックシートで試行錯誤 <下>