日経マーケット・アクセスが実施している企業情報システム担当者への調査では,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いている。2007年1月調査では,「RFID」「EA (エンタープライズ・アーキテクチャー)」「ITIL」を取り上げた。

 「EA」は認知度で2006年10月調査の「SOA(サービス指向アーキテクチャ)」「BPM(ビジネス・プロセス管理)」とほぼ同スコア。「業務に通用する十分な知識がある」と「内容をある程度理解している」を合わせると25%強だった。業務への影響度と利用状況スコアは,前回2006年12月調査の「生体認証」と似た傾向で,「自分の業務には関係ない」が約3割と比較的高く,「全社的に運用」~「試験的に一部運用」の合計比率は約2割を占めた。

 「ITIL」は「聞いたことがない」が55%強を占め,認知度スコアで過去最も低い2.00。しかし業務への影響度は今回の「EA」や「RFID」より高い評価で,「自分の業務と深い関わりがある」と「将来関係するかもしれない」が合計8割近い。利用状況でも「全社的に運用」~「試験的に一部運用」が25%弱に達している。

 「RFID」は俗称の「ICタグ」を併記せずに聞いたためか,「聞いたことがない」が4割弱と高めに出た。業務への影響度と利用状況スコアは今回調査の「EA」とほぼ同じ値で,回答の内訳もよく似ている。業務への影響度は2006年12月調査の「生体認証」,利用状況は2006年11月調査の「シンクライアント」ともよく似た傾向だった。

◆注
 調査実施時期は2007年1月中旬,調査全体の有効回答は2523件,うち情報システム担当者の有効回答は548件。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を5,「内容をある程度理解している」を3.67,「名前だけは聞いたことがある」を2.33,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。
 同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を5,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を1点に換算。
 「応用/利用状況」は五択で「全社的に運用されている」を5,「一部の部門,業務で運用されている」を4,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を3,「導入を計画している」を2,「導入/利用計画はまだ具体化していない」を1点に換算した。

図1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2-a●情報システム担当者の最新キーワードの認知度

図2-b●情報システム担当者の最新キーワードの利用状況

図2-c●情報システム担当者の最新キーワードの業務への影響