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Windows Vista徹底解説

Windows Vista開発史(第1回)

2001年~2002年:BlackcombとLonghorn

Paul Thurrott 2007/01/26 ITpro

 マイクロソフトがまもなく,新OS「Windows Vista」を一般消費者向けに発売する。2001年から丸6年以上を費やしたWindows Vista開発の歴史を,米国「Windows IT Pro Magazine」の名物ライターであるPaul Thurrott氏が振り返った。第1回の今回は,Windows Vistaの開発コード名「Longhorn」が初めて明らかになった2001年から2002年のことを振り返る。

 Windows Vistaの開発にまつわる物語を書くのであれば,やはり初めから話しをするのが簡単だろう。米Microsoftの中にはもっと早い時期を提示する人もいるだろうが,筆者を含む世界中のほとんどの人にとって,Windows Vistaの始まりは2001年7月25日にさかのぼる。これは,MicrosoftがWindows XPを完成させる1カ月前のことである。

2001年:当初は「中継ぎ」だったLonghorn

写真1●Whistlerスキー場にある「Longhorn Saloon」
[画像のクリックで拡大表示]
 その日,Microsoftの広報は,Windows XP(開発コード名:「Whistler」)のフォローアップ計画として,「Blackcomb」という開発コード名のWindowsのメジャー・バージョンアップを発表した。当時,Microsoftの広報担当は「Windows XPとBlackcombの間には,中間バージョンとなるWindowsのリリースがあるかもしれない。その開発コード名は『Longhorn』で,2003年に出荷されるだろう」と語っていた。当時の記事によると,Longhornの開発は,Windows XPの開発プロセスが終息しつつあった2001年の5月に始まったという。

 当時,LonghornはWindows XPとBlackcombの中間に位置する,マイナーな暫定バージョンと考えられていた。実際,その年筆者は「Longhornという名前を考えたら,これがどういう製品か分かる」というようなことを言っていた。つまり,WhistlerとBlackcombの両方がカナダ・ブリティッシュコロンビア州の大きなスキー・リゾート地であったのに対して,Longhornはその2つの山の間にあるレストラン・バー(写真1)の名前でしかなかったのだ(関連記事:「Longhorn」名称由来の地を訪ねる)。当時,Microsoftの友人は「WhistlerからBlackcomb に行くには,Longhornを通る必要がある」と言っていた。

 Longhornの存在は,筆者の友人でもあるMicrosoftのTom Leammel氏が,「eWeek」のレポーターに誤って漏らしてしまったことから知られるようになった。困ったことに,彼がこの話を漏らしたのは,彼が筆者とWindows XP Release Candidate 2(RC2)の話をした次の日であった。それからしばらくの間,筆者は彼に冗談を言ってこのことを何度も思い出させて,彼を困らせていた。もちろん,今では本当にもうそのことは気にしていない。

 2001年はLonghornに関して,これ以上大きな動きはなかった。大部分の人は当時最新のWindows XPのことで頭がいっぱいだった。またその年の12月に,Windows XPに初めてのセキュリティぜい弱性(ユニバーサル・プラグ&プレイのぜい弱性)が見つかったことをきっかけに,Trustworthy Computingプロジェクトや「Windows XP Service Pack 2(SP2)」といったMicrosoft製品のセキュリティの見直しが始まり,それがその後のMicrosoft製品の恒常的な開発遅れという問題につながることになった。

2002年:早くも開発に遅れが生じる

 興味深いことに,Windows Vistaの開発が初めて延期されたのは,2002年4月のことであった。その当時,Microsoftのグループ副社長であるJim Allchin氏が明かしたところによると,Longhornは最低でも2004年までは出荷されない,とのことだった。彼は,「このバージョンに関しては,納得できるサイクルで開発を行うつもりです」と述べていた。「われわれは物事を早く進めてベータ版のフィードバックをもらうのにすべての時間を費やすため,十分な新規開発ができないことがしばしばあります」(Allchin氏)。

 このときまでに,LonghornはMicrosoftが最初に話したような「マイナー・アップグレード」ではなく,重要なリリースとして位置付けられるようになっていた。その年のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)で,MicrosoftはLonghornには新しいマネージドAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース),新しいグラフィック・アーキテクチャ(当時は「Longhorn Graphics Architecture」と呼ばれていた),ピア・ツー・ピア・テクノロジ,新しいSQLサーバーベースのストレージ・テクノロジが搭載される,としていた。実際のところは,Jim Allchin氏はWinHECの基調講演でLonghornについて簡単に言及するだけで,具体的な技術が披露されることはなかった。

 当時,次世代のOSがどのようなものかを示す偽物のビデオやスクリーンショットが世の中に出回ったことによって,Longhornは出鼻をくじかれることとなった。Microsoftのハイレベルな製品説明に疑念を持った多くの人が,それらが偽物であることを暴いたのは当たり前のことだった。わたしもその年,それらの説明が偽りであることを証明するのに多くの時間を費やした。確認できる実際のコードがないとこういうことが起こるのだろう。

たくさんの機能を詰め込んだ「特大ホームラン」を目指したLonghorn

 2002年6月,Microsoftの会長であるBill Gates氏がフォーチュン誌の特集記事で,自分の時間の半分をLonghornに費やしている,と話した。そのときにはLonghornは,Windowsのメジャー・リリースとして扱われるようになっていた。Gates氏は新OSについて,こう述べている。「われわれは長い間,いろいろな技術を別々に開発して,個別にリリースしようと考えていたが,『バラバラの作業もいいけど,もっと他に面白いことをしよう』というような雰囲気になってきた。そして,(MicrosoftのCEOである)Steve(Ballmer)から『じゃあ,リリースを同時に行おう』という提案があった。それで私は,『危険じゃないか?』と言ったが,Steveは『でもそうすべきなのは明らかじゃないか?』と主張したのだ」。このときGates氏は,突然複雑になったLonghornを「たくさんの特大ホームラン」と呼んでいた。

 この記事によって,Gates氏がLonghornでWindowsを徹底的に改変しようとしていることが明らかになったのだ。当時は,Longhornに次のような機能が搭載されると説明されていた。

この記事で,GatesはLonghornをWindowsの徹底的な修理であり,次の機能を持たせる,と説明した。

・統合された新しいWindowsストレージによって,ドキュメントや連絡先,電子メール,インスタント・メッセージ(IM)の登録者リスト,カレンダ,その他のデータが,すべて同じ方法で保存され,全体を簡単に検索できるようになる機能。Longhornによって「私のデータはどこ?」という問題が解決されるとされていた。
・電話や電子メールをスクリーニングして,ユーザーのイライラを減らす機能。
・職場を離れているときに,電話や電子メールを自動的に転送できるように自分の所在を追跡する機能。
・電話会議やオンライン・ミーティングを調整する機能。
・ユーザーが簡単にWebサイトと電子メール・リストを設定し,登録者の情報を最新に保てる機能。
・接続している任意のデバイスを使って,ユーザーが家から仕事上重要なデータにセキュアにアクセスできる機能。

 Gates氏がさらにフォーチュン誌に語ったところによると,Longhornには,ほかにも10個の主要な機能が存在するという。それらはユーザーの利便性やリアルタイム通信,ストレージ,認証とセキュリティ,新しいグラフィックスに関連するものであった。Microsoftはそれまで,それぞれの機能を別の開発チームで開発しており,Gates氏がプロジェクト全体を管理して,各チームと頻繁なミーティングを行っていたという。

 残念なことに,当時Gates氏が語っていたLonghornに搭載される予定の機能と,Microsoftが今回出荷するWindows Vistaとを比較すると,後者の方が見劣りするように見えてならない。

2002年10月:初めてのアルファ版が登場

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