日経マーケット・アクセスの月次調査「日経マーケット・アクセスINDEX(日経MA-INDEX):企業情報システム」の2006年10月版では,情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター(SIer)の主要企業について,「強い存在感がある」「会社に勢いがある」と感じるかを聞いた。このうち主要SIer 16社への「存在感」「勢い」の評価を相関図の形にまとめた。

 ここでは,ほぼSIerの売上高ランキング順に並ぶ形で,2005年度連結売上高9000億円強のNTTデータが「存在感」(27.7%)「勢い」(11.3%)ともトップ。同4000億円強の大塚商会が「勢い」ではNTTデータと並んだが,「存在感」には7ポイント近い差がある。

 以下,伊藤忠テクノサイエンスとCRCソリューションズが合併して同3000億円規模になった伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が「存在感」で大塚に並び,「勢い」でNTTデータと大塚の両社から2.5ポイントの遅れ。同3000億円規模のNECソフト,同2600億円規模の富士通サポート&サービス(FSAS)が「勢い」ではCTCと並び,「存在感」でやや下回る位置につけた。

 ただし,11月24日付け記事の「主要ベンダー16社」の図でのマイクロソフトやアドビシステムズと比較すると,SIer最大のNTTデータは半分程度の評価。NTTデータを「ベンダー16社」の図に置いてみると,大手総合ベンダーの集団の最後尾,日立製作所と同程度の「存在感」で,「勢い」では日立製作所を少し上回るあたりの位置に来る。

 11月24日付け記事の「主要ベンダー16社」の図でもこの「主要SIer 16社」の図でも,「存在感」と「勢い」は正の相関関係がかなり強い(相関係数はベンダー0.62,SIer0.79)。ユーザーが「存在感はまだ小さい(低位にある)が,勢いがある」と評価しているベンダー/SIerは,今回の結果からは見あたらない。ネットワーク専業系SIer(ネットマークス,ネットワンシステムズ)は,「勢い」で最下位を争う日立系SIer 2社(日立情報システムズ,日立電子サービス)より若干上,「存在感」では並んで最下位,という程度であった。

◆注
 調査実施時期は10月上旬~中旬,調査全体の有効回答は2283件。情報システム担当者の有効回答は513件。16社それぞれについて,513件の中で「強い存在感があると感じる」,「会社に勢いがあると感じる」,との回答の比率を示した。
 大手SIerの中からメーカー系/独立系や専門分野などのバランスを考えて,本図の16社をピックアップし,有効回答者全員に評価を求めた。リコー,富士ゼロックスなどその他の大手SIer 65社については,SIerと回答者をそれぞれ5グループに分けて,各回答者に13社だけを提示し評価を求めた。
 NECソフトについては,九州,中部など各地のグループ会社を含めて評価するよう求めた。NECソフトは2005年6月に上場を廃止しNECの100%子会社となっているが,地方のグループ会社やNECシステムテクノロジーを合わせると,連結売上高3000億円規模と見られる。

図●主要システム・インテグレーター16社に対するイメージ