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オープンソース/Linux

入門講座 KNOPPIXをフルに使いこなそう

日経Linux

1:KNOPPIXの起動

2006/08/24
畑 陽一郎=日経Linux
出典:日経Linux 2006年1月号  72ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 「KNOPPIX」は,簡単に使えて役に立つLinuxディストリビューションです。基本的な使い方から,レスキュー用途やシステム管理用途での使い方までを具体的に説明します。

 KNOPPIXは,Debian/GNU Linuxから派生したLinuxディストリビューションの一つです。KNOPPIXの特徴はCD-ROMやDVD-ROMから直接起動すること,言い換えればハード・ディスクにインストールすることなく手軽に使えることです。

 Linuxディストリビューションとして普通に使えるのはもちろんのこと,CD-ROMやDVD-ROMから起動するという特徴を生かして,PCが起動しなくなったときのレスキュー用途やシステム管理用途で多いに活用できます。パソコン・ユーザーなら,是非常備しておきましょう。

付録メディアからKNOPPIXを使う


写真1 HTTP-FUSE版KNOPPIX 4.0の画面
[画像のクリックで拡大表示]

 本誌(日経Linux2006年1月号)の付録メディアには,KNOPPIX 4.0の最小構成版として使える「HTTP-FUSE KNOPPIX 4.0」(以下,HTTP-FUSE版)を収録しました(写真1*1。また,日経Linux9月号にも仮想マシンを動かせるKNOPPIXである「Xenoppix」を収録しています。最小構成版といっても,必要なファイルはネットワーク経由で入手して動作しますので,(インターネットにつながっている限り)通常のKNOPPIXと同様に使えます。付録メディアに収録したHTTP-FUSE版のISOイメージをCD-Rに書き込むことで,KNOPPIXが利用できるようになります。

 このISOイメージには,起動に必要な最低限のファイルのみが格納されています。X Window Systemやアプリケーションなどは必要に応じてネットワークからダウンロードする仕組みです。もちろん,通常のKNOPPIXと同様,ハード・ディスクへのインストールは必要ありません。

 ちなみに,HTTP-FUSE-KNOPPIX-4.0.2のISOイメージは,ここからダウンロードできます。 また,インストールガイドは,こちらでご覧いただけます。

 このようにHTTP-FUSE版は,KNOPPIXを構成するファイルのほとんどをネットワークからダウンロードするため,起動時間が長いように思えます。しかしながら,「ネットワークに遅延がない場合は,DVD-ROMよりも早く起動する」(産業技術総合研究所主任研究員の須崎 有康氏)ように作られています。

最小イメージから起動する


写真2 HTTP-FUSE版KNOPPIX 4.0の起動画面
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写真3 HTTP-FUSE版KNOPPIXで,ダウンロード・サーバーを選択しているところ
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 HTTP-FUSE版でも,ISOファイルを書き込んだCD-Rから起動するまでの手順は,通常のCD-ROM版やDVD-ROM版のKNOPPIXとほとんど変わりません(写真2)。

 ただし,起動後はネットワーク環境に注意しましょう。HTTP-FUSE版は,必要なファイルをHTTPプロトコルを用いて入手しますので,企業内LANなどプロキシ・サーバーが設置されている場合は,プロキシ設定が必要です。「boot:」プロンプトが表示された段階で,例えば,「knoppix http_proxy=http://proxy.nikkeibp.co.jp:80」のようにプロキシ・サーバーを指定して起動してください。

 固定IPアドレスから接続する場合は,「boot:」プロンプトに続けて,「knoppix staticipaddress」と打ち込んでください。その後,IPアドレス,ネットマスク,デフォルト・ゲートウエイ・サーバー,ネーム・サーバーを聞かれるので,それぞれ正しい値を入力します。

 続いて,ダウンロード・サーバーを選択します。ここから必要なファイルを入手することになります。「NETSELECT」を選びましょう(写真3)。これで,ネットワーク上最短距離にあるサーバーが自動的に選択されます。

キャッシュを使って動作を速くする

 HTTP-HUSE版は,必要に応じて,ソフトウエアをブロック単位でダウンロードします。このブロックを,PCのハード・ディスク内にキャッシュしておけば,2回目からは高速に動作します。

 キャッシュするには,プライマリ・パーティションにあるext3ファイル・システムやFAT32ファイル・システムのルートに,/knxblockディレクトリを作るだけです。ただし,300Mバイト以上のディスク空き容量が必要です。ディレクトリはHTTP-FUSE版が自動的に検索するため,起動時に指定する必要はありません。

 キャッシュには,PCをリセットしても内容が残ります。利用するごとに必要なファイル・ブロックがそろっていくため,利用するファイルすべてをキャッシュした状態では,ネットワークから切り離した状態でもHTTP-FUSE版が利用できるようになります。

うまく起動しない場合の対処法

 お手元のPCでKNOPPIXを起動したときに,うまく起動しなかったり,思ったような画面設定にならない場合があるかもしれません。そこで起動時の設定のポイントを紹介しておきます。

 ノートPCなどでは,画面の画素数が正しく反映されないことがあります。この場合は,boot:と表示されている状態で,F3キーを押し,メニュー画面を表示してください(写真4*2。ここには起動時に指定できるオプションがまとまっています。画面の画素数を指定するには,boot:の後に,「knoppix screen=1024x768」などと入力します。knoppixで始まるオプションは同時に複数指定できます。


写真4 KNOPPIX起動時のオプション画面
F3キーを押して表示された画面。
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 古いCRTを使っていると,KNOPPIXの起動と同時に画面が乱れることがあります。これはKNOPPIXが想定する同期周波数がCRTの動作範囲を外れたのが原因です。CRTのマニュアルを見て,垂直同期周波数(vsync),水平同期周波数(hsync)の値を確認してください。その上で,boot:の後に,「knoppix vsync=85 hsync=78」などと入力します。

 PCに接続されている機器がKNOPPIXの想定外だった場合は,起動しないことがあります。この場合は,KNOPPIXのハードウエア認識機能を切るために,boot:の後に「failsafe」と入力してください。

アプリケーションの導入方法

 KNOPPIXはDebian系のディストリビューションですが,CD-ROM/DVD-ROM起動という性質上,アプリケーションを新規にインストールする機能は,公開当初は付属していませんでした。KNOPPIX 3.7からは「UNIONFS*」を用いて,Debianと同様のapt-getを用いたソフトウエアのインストールができるようになりました。方法は次の通りです。

 画面下左から4番目にあるコンソールを起動後,最初にapt-getのパッケージ・データベースを更新しておきます。

 次にabcというパッケージをインストールするのなら,次のように入力します。

 CD-ROM/DVD-ROMにはファイルを書き込めませんが,仮想的に光メディア上に書き込んだように見せるUNIONFSの機能を用いて,CD-ROM/DVD-ROMから起動したKNOPPIXであっても,パッケージがインストールできます。

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