日常的にパソコンを使っている人なら,多かれ少なかれフリーソフトのお世話になっているだろう。例えばファイルの圧縮・解凍などは,フリーソフトを使っていない人を探す方が難しいほどだ。パソコンの世界で「こんなことがしたい」といったニーズがあれば,そのニーズを満たすフリーソフトが必ずといっていいほど存在し,多くのユーザーに日々活用されている。

 ネットワークの世界にも,こうしたパソコンの世界に負けず劣らず数多くのフリーソフトが存在する。Webブラウザやメーラーといった定番アプリケーションから,チャットやメッセンジャなどのコミュニケーション・ツール,SNMPマネージャに代表されるネットワーク向けの管理ツール,WebサーバーやDNSサーバーといった各種サーバー・ソフト─など,実に幅広い。

よくあるニーズ向けにソフトを紹介

 ただ,これだけのフリーソフトがあるにもかかわらず,パソコンの世界と比べるとあまり広く活用されていないように思える。紹介される機会が少ないせいか,優れたソフトなのに知名度が低かったり,便利な使い方があるのに多くの人に知られていないソフトがたくさんある。

 そこで今回は,こうしたネットワーク向けのフリーソフトにネットワーク専門誌の立場からスポット・ライトを当てる。「こんなニーズがあるとき,このフリーソフトが便利に使える」というように具体例と共に活用法を紹介しよう。

 パソコンのネットワーク環境を快適にしたいといった個人的なニーズから,社内ネットワークのセキュリティを強化したいといった管理者向けのニーズまで,現実によくあるニーズを七つ用意した。これらのニーズに対して,それぞれどういうソフトを入手してどう使えばいいのかを一緒に見ていこう。

 紹介するソフトは,国内はもちろん世界中から選りすぐったものばかり。もし今すぐには必要ないとしても,パソコンにダウンロードしておけば,何かの機会にきっと役に立つだろう。

 七つのニーズのほかに,筆者がパソコンを買ったら必ず入れておきたいと思っているソフトの一覧も掲載した。また,紹介したソフトをまとめたリンク集も別途用意したので活用してほしい。それでは,扉を開いて奥深きフリーソフトの世界に踏み出そう。















【紹介するフリーソフトの利用についての注意事項】
 紹介するフリーソフトについては,記事執筆時に一般的なWindowsXPパソコンを用意して,
・ウイルスやワームに感染していないこと
・明らかな不正活動(データ破壊など)をしないこと
の2点について確認しています。
 ただし,ほかのソフトとの組み合わせによって相性問題などの不具合が発生したり,今後セキュリティ・ホールなどが見つかって外部から攻撃を受けたりする危険性は当然あり得ます。ご利用にあたっては,事前にそのソフトの情報を十分に調べ,ウイルス対策ソフトやパーソナル・ファイアウォールの導入といった基本的なセキュリティ対策を施したうえで利用することを強くお勧めします。
 とくに業務で使う場合には,可能な限り仮想マシン・ソフトや専用のテスト環境を用意して検証してから使うべきです。
 日経BP社では,今回紹介したフリーソフトの使用に伴って発生するあらゆるトラブルに関して一切保証いたしません。自己責任のもとご利用ください。