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集中連載

GyaO躍進の秘密(後編)
---コンテンツ揃えに達人のノウハウ

2006/04/21 ITpro

この短期集中連載の前編へ

 USENの無料ブロードバンド放送「GyaO」。その視聴登録者数の順調な伸びを支えているのは,充実したコンテンツだ。現在では,ニュース,ビジネス,映画,音楽,ドラマからショッピング,ゲームまで14のチャンネルをそろえ,各チャンネルに数十種類のコンテンツが常にある。

 GyaOのコンテンツ集めのキーマンは二人いる。GyaO編成局長の菊地頼とコンテンツ事業本部長の高垣佳典だ。

フジテレビ出身者が作る新しいテレビの形

 菊地編成局長は,USENがGyaOの事業化を決めた後に,宇野康秀社長自らがスカウトした。菊地は,フジテレビジョン出身でドラマなどの番組制作の経験が豊富にあり,視聴率の取れる番組作りを知っている。しかも,ネット上での動画配信システム開発の会社を経営していて,システムにも詳しい。

 菊池は,「宇野さんにインボルブ(巻き込む)されましたよ。近所の子供が面白いことをみつけたからいっしょにやろうよ,というような純粋な感じで引き込んでいくんですよ」と,GyaOへの参加を決めた経緯を語る。


写真 GyaOのスタジオでの番組制作の様子 [画像のクリックで拡大表示]

 その菊地が打ち出したGyaOの編成方針は次の3つだ。

  1. ギャガ・コミュニケーションズ(GAGA)など,USENグループの強みを生かして,音楽と映画を存分に見せる総合エンターテインメントとすること
  2. テレビの朝のニュース,週1のドラマなどのように,情報発信して視聴習慣をつけてもらうこと
  3. 多くの女性に見てもらうこと
 この方針に沿って菊地らは,月単位,週単位,デイリー,生(なま)の番組を編成していく。といっても,ほしいコンテンツがいつでも使えるわけではない。USENでは,GAGAやテレビ局から調達するコンテンツに加えて,ドラマ,バラエティ,情報番組を自社制作することで,編成方針に沿ったコンテンツを品揃えできる体勢を作っている(写真)。

ニフティOBが次々とコンテンツを集める

 外部からの調達がまだ大半を占めているのが現状だが,映像コンテンツには著作権をはじめ,さまざまな権利関係がついて回る。このため,インターネットで配信するときの使用許諾を取るのは大変な作業だ。ここで,高垣コンテンツ事業本部長の技が発揮されている。

 高垣は,USENが光ファイバ通信事業を始めたときから,そこに流すコンテンツの調達を担当してきた。かつてのパソコン通信サービス最大手の一つ「ニフティサーブ」(現@ニフティ)の初期に,コンテンツ集めをし始めた自称「コンテンツ屋」だ。

 USEN独自の動画配信のほか,楽天と共同の動画配信事業「ショウタイム」でもコンテンツ集めをしてきた高垣は,映画会社や芸能プロダクションなど,コンテンツ保有者に顔が広い。そのうえ,必要な契約形態を整理して,10数種類の契約書のひな形を持っている。このひな形は,光ファイバ事業を開始するときに,高垣が弁護士とともに作ったオリジナル。何を重視するのか,利益の配分はどうするのか,契約期間はどうするのかなど,コンテンツ保有者の要望に合わせてひな形が作られているため,契約までの時間を他社より短縮できる。

 だから,コンテンツ集めに抜群の機動力があり,短期間で外部のコンテンツを調達できる。毎週の編成会議で,あのチャンネルのこういう部分が弱いから,それに合うコンテンツを調達しようという話をして,すぐに調達作業を始める体勢が出来ている。

 菊地と高垣はGyaOの制作について,「テレビ放送と違って放送時間枠の制約がないので自由度が大きい」と声をそろえる。視聴者に受け入れられるなら,極端に長時間の番組を制作したり配信したりできるのだ。

 またブロードバンド放送といっても,実際にはVOD(ビデオ・オン・デマンド)であるため,常に多くの番組を配信できるように品揃えしておける強みもある。テレビのように,一つの番組しか見せないというわけではない。

 テレビとネットの融合の有力な一つの形態として,GyaOは進化を続けていきそうだ。

----文中敬称略

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筆者:和田 勉

フリーのジャーナリスト。1966年京都府生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後,日本経済新聞社に入社。産業部や国際部などの記者を経て,1998年から3年間,テレビ東京に出向 して経済部記者を務めた。2001年からフリーのジャーナリストに。著書に『買収ファンド』(光文社新書),『企業再生ファンド』(同),『事業再生ファンド』(ダイヤモンド社)がある。なお,この記事の詳しい内容は,同氏の著書『USEN宇野康秀の挑戦! カリスマはいらない。』(2006年4月24日発行)に掲載している。

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