定期的に情報を集めてグラフを描画

図5●ポーリングによってトラブルの前兆を示す情報を集める
図5●ポーリングによってトラブルの前兆を示す情報を集める
SNMPを使えば,ポーリングによって定期的にルーターの各ポートの負荷状態などを調べることで,ネットワークがダウンする前に兆候を見つけて手を打てる。
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 性能管理では,マネージャはポーリングによって管理対象のネットワーク機器から情報を集め,グラフを描いたり管理者にアラートを送ったりすることが仕事になる(図5[拡大表示])。

 ここでも製品によってさまざまな機能の違いがある。たとえば,グラフを描く機能。製品によっては,線グラフだけという具合に決まった形式でしかグラフを出力できない製品もある。

 一方,アライドテレシスのCentreNET Swim Managerなどは,円グラフや棒グラフ,折れ線グラフなど表示形式を選べたりする。

 グラフはあくまでも一時的な値の確認用という位置付けの製品もある。WhatsUp Professionalを販売するケイ・ジー・ティーは,「特定のMIB情報をグラフとして記録し続けたい場合は,MRTGと組み合わせることをお勧めしている」(菊地賢・インターネットソリューション事業部パートナービジネス部技術グループマネージャ)という。

 ポーリングによってMIB情報を集めてグラフを描くという点に限るなら,フリーソフトのMRTGやRRD TOOLも市販製品に負けていない。表示する項目などを管理者の好みに合わせて柔軟に設定でき,見栄えの良いグラフを描画できる。ただ,フリーソフトの場合,対象機器を自動検索したり,相手がどんなMIB情報を持っているかを調べる機能を備えていないのが難点だ。

 一方,市販ツールの多くは,収集した情報が,あらかじめ設定したしきい値を超えると画面や管理者に対してアラートを出す機能を備える。ルーターの処理の負荷が定常的に高くなってきたら,ルーターを高性能のものに交換するなどの対処をとることで,トラブルを未然に防ぐことが可能になる(図5)。

 また,MIBブラウザと呼ぶツールを備えていて,管理対象の機器にアクセスして,どんなMIB情報を持っているかをツリー形式で簡単に確認できる製品も多い(図5の上)。さらに,価格の高い管理ツールは,エージェントがサポートするどんな拡張MIBでもマネージャが取り込めるようにする拡張MIBのコンパイル機能を備えているのが普通だ。