2014年の国内企業向けIT市場(官公庁、教育、一般消費者を除く)は、前年比1.3%減の9兆9546億円になるとIDC Japanが予測している。国内経済は改善傾向にあり、大企業を中心に業績が回復しているが、一部地域では景気回復が遅れて業績が低迷、IT支出の抑制傾向が続く。また、2014年はハードウエアの更新需要の谷間となることもマイナス成長の要因となる。

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 地域別では、九州/沖縄、中国/四国地方が前年比約マイナス3%と大きく落ち込む。近畿地方の予測も同マイナス1.7%。地域企業のIT支出の回復遅れが響くと予測している。

 一方、北海道/東北地方、北陸/甲信越地方は、共に前年比0.8%減、関東地方が同0.9%減と、小幅のマイナス成長にとどまる見込み。北海道/東北地方では、復興の進展により地場企業のIT関連支出の再開が見込まれる。北陸/甲信越地方は、2015年春に延伸予定の北陸新幹線に伴う投資が継続する。関東地方では、大手金融機関や情報サービス業が市場をけん引する。

 2015年は、全国規模で国内経済の改善が進むため、一部の地域を除いてプラス成長。東名阪地域を中心に、企業のIT支出が増加する。その他の地域でも、地場のSIerやベンダーが、再生可能エネルギーや農林水産業などの新たなIT分野に注力するケースが増加し、IT市場の成長をけん引する。