CQECの画面
CQECの画面
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 コーネルの「CQEC」は、オフィスコンピュータ(オフコン)で一般的に使われているデータベース問い合わせ機構「Query/400」をWeb化するソフトである。帳票に印刷することなく、Web画面の上で、オフコンのデータベースを検索/参照できるようになる。検索結果をExcelファイルやCSVファイルで入手することもできる。

 Query/400とは、オフコンOS「IBM i」を稼働させたミッドレンジコンピュータ「Power Systems」(旧称AS/400)でよく使われるデータベース問い合わせ機構である。リレーショナルデータベース管理システム「DB2」への問い合わせ処理(SQL)を集約/ラップ化した上位の問い合わせ定義を「Query」と呼ぶ独自形式ファイルに保存し、実行/再利用できるようにしている。問い合わせの定義であるQUERYは、5250端末エミュレーター上で専用ツールを起動させ、対話型で作成する。

 CQECは、あらかじめオフコン上で作成しておいた問い合わせ定義のQueryを、WindowsベースのWebアプリケーションサーバー(IIS)に取り込んでデータ変換し、これをIIS側で実行する(Web画面上で対話型にQueryを作成することも可能)。これにより、オフコン上でQuery/400の仕組みを利用することなく(オフコン上でQueryを実行させることなく)、実際にQueryを実行したIISから、オフコンのDB2にSQLでアクセスするようになる。

 Query/400をWeb化することのメリットは、データベース検索結果を、Web画面やファイル(Excel、CSV)として出力できるようになること。これに対して、オフコン上でQuery/400を使う場合、データベースの検索結果は、帳票(紙)に印刷するか、画面に表示するかしかできないという。なお、Query/400のWeb化にあたっては、オフコン側に通信ミドルウエア「IBM i Access for Windows」が必要になる。

AS/400操作だけでExcel出力するオプションを開発中

 開発中のオプション機能を使うと、Webブラウザーを操作することなく、CQECから検索結果を得られるようになる。この仕組みを使うと、端末エミュレーターからオフコン上のプログラムを動作させるだけで、検索結果をExcelに出力できる。つまり、これまでのオフコンの運用方法を変えることなく、検索結果の入手手段だけを拡張できる。

 具体的には、IBM i上で動作するプログラムから、CQEC連携用のコマンド言語(CL)プログラムを呼び出す。CLプログラムは、端末エミュレーターが動作しているWindowsパソコンのWebブラウザー(IE)を、ユーザーの代わりに自動運転するためのパラメーターを発行する。このために必要なソフト一式(CLプログラムなど)をオプションとして用意する。

CQECの概要
用途と機能オフコンのデータベース検索と帳票出力を、オフコン上のプログラムを改変することなくWindows Server上のWebアプリケーションに変換する
稼働環境Windows ServerとIIS(Internet Information Services)
クライアント環境Webブラウザー。オプション機能を使った場合は、5250端末エミュレーター画面上でのオフコン操作によって検索結果をExcelやWebブラウザーに出力できる
価格(税別)CQECは、最小構成となる「スタートパック」(問い合わせのクエリーを開発できる管理者ライセンス×1、クエリーの実行に限ったユーザーライセンス×10)が月額1万5000円。オプション機能の価格は未定。
発表日2013年6月25日(オプション機能の発表日は2014年4月15日)
出荷日2013年6月25日