SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)部門は、グループウエアやWeb会議などの「汎用情報系」、ERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客関係管理)といった「汎用業務系」、教育機関向けや電子カルテなどの「特定業種業務向け」の3部門があり、合計で29のベストサービスを選出。今回は初選出となるサービスが続々と登場した。

 汎用情報系SaaS部門では14サービスを選出した(表1)。テラスカイの「SkyOnDemand」は初選出。クラウド型のデータ連携サービスで大手パブリッククラウドサービスと企業の基幹業務システム間の連携やクラウドサービス間のデータ連携が、ユーザーのドラッグ&ドロップ操作で簡単に設定できるという。

表1●汎用情報系SaaS部門のベストサービス
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 汎用業務系SaaS部門では、7サービスを選出した(表2)。TDCソフトウェアエンジニアリングの「Trustpro(トラストプロ)」が初選出である。アプリケーション開発基盤と、商品・売り上げ管理などの業務アプリケーションテンプレートがセットになっている。また、日本マイクロソフトの「Microsoft Dynamics CRM Online」は第4回以来の再選出だ。

表2●汎用業務系SaaS部門、特定業種業務向けSaaS部門のベストサービス
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 特定業種業務向けSaaS部門では、8サービスを選出した。NECの「GPRIME for SaaS 内部情報サービス」、ドリーム・アーツの「Shopらん」が初選出になる。

 GPRIME for SaaS 内部情報は、人口10万人以下の地方公共団体向けのクラウドサービスで、財務会計、人事給与などが提供されている。

 Shopらんは、多店舗展開を行っている流通業の本部-店舗間のコミュニケーションに特化したクラウドサービス。本部が出した指示を、店舗が確認・作業しているかについて状況を把握できる一方で、店舗からの要望や顧客の声をリアルタイムに把握可能だ。

SaaS 3部門の調査内容

 SaaS 3部門の調査項目は合計35。各項目は(1)サービス内容関連、(2)カスタマイズ関連、(3)料金関連、(4)契約関連、(5)信頼性関連、(6)保守サポート関連、(7)運用セキュリティ関連、(8)実績関連の8分野である。全体で100点満点となるように評価し、平均値が50、標準偏差が10となるように標準化して総合スコアを算出。小数点第2位以下までを見て総合スコアが62.5以上を「ベストサービス」として選出した。

【調査項目】

(1)サービス内容関連(2点)
サービスの基本タイプ、サービスの種類、サービスの内容・機能、利用可能なクライアント種別

(2)カスタマイズ関連(22点)
画面のカスタマイズ方法、業務ロジックの設定・構築方法、データベースの設計・構築方法、他システムとの連携方法、導入支援やカスタマイズを実施する国内での認定パートナー企業数、業務パターンなどを設定済みのテンプレート数

(3)料金関連(10点)
最小構成時の初期費用、標準支払い通貨、期間以外の利用料金の変動要因、期間による課金単位

(4)契約関連(16点)
利用開始時の申し込み方法、設定変更時の指示方法、最低契約期間、利用開始までの期間、設定変更にかかる期間

(5)信頼性関連(16点)
保証するサービス稼働率、サービス停止とみなす処理途絶時間、計画停止の通知時期、稼働状況の定期的な報告、障害・災害発生時の通知方法

(6)保守サポート関連(14点)
サポート時間、サポート受付方法、データのバックアップ間隔、バックアップデータの保持期間、システムログの開示

(7)運用セキュリティ関連(12点)
外部機関によるセキュリティ監査・認証、ユーザーデータの保証、契約終了時のデータ返却、国内データセンターの指定

(8)実績関連(8点)
日本国内における法人ユーザー数、全世界における法人ユーザー数

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