東芝の「デジタル貸金庫」は、端末ごとに暗号鍵を付け替えるという再暗号化技術によって情報漏洩対策を施したオンラインストレージサービスである。ファイルの共有やバックアップなどの用途を想定している。
この再暗号化技術は、東芝ソリューションと共同開発した。共有を許可されたユーザーがファイルをダウンロードする際、データを暗号化したまま、その端末に設定されている暗号鍵に合わせて鍵を付け替えて配信する。このため、フィッシング詐欺などで第三者がユーザーIDとパスワードを不正入手しても、データを閲覧できない。また、端末の紛失や盗難に遭った場合には、遠隔で暗号鍵を無効化できる。
ユーザーの端末には、あらかじめ専用クライアントソフトをインストールしておく。今のところWindows 8用とAndroid用の2種類があり、それぞれWindowsストア、Google Playから無料でダウンロードできる。
30日間無料の試用サービスを実施しており、専用クライアントソフトからユーザー登録すると、すぐにデジタル貸金庫を利用できるようになる。試用期間中には、1Gバイトのストレージを、最大10人の共有ユーザー、最大5台の端末で利用できる。
有料サービスは月額390円。標準で10Gバイト(最大200Gバイト)のストレージを、最大10人の共有ユーザー、最大10台の端末で利用できる。また、アップロードしたファイルは、広域災害対策のために複数のデータセンターに保管される。
あらかじめ「受け取り人」を登録しておけば、ユーザーが何らかの理由でデジタル貸金庫にアクセスできなくなった場合、受け取り人が所定の手続きを取ることで、ファイルを取り出せる。
「デジタル貸金庫」の概要
メニュー | トライアル(30日間) | プレミアム |
---|---|---|
ストレージ容量 | 1Gバイト | 標準10Gバイト 最大200Gバイト |
共有デバイス数 | 最大5台 | 最大10台 |
共有ユーザー数 | 最大10人 | 最大10人 |
複数データセンターでの保管 | × | ○ |
「受け取り人」の登録 | × | ○ |
暗号鍵の復旧 | × | ○ |
IDとパスワードの再設定 | × | ○ |
クライアント動作環境 | Windows 8、Android 2.3/4.0 | |
利用料金 | 無料 | 月額390円(税込み) |
発表 | 2012年11月21日 | |
提供開始 | 2012年11月21日 |